158日目「そういうことだったのね!テンプレ!!」
「そういうことだったのね!テンプレ!!」
昨日に引き続き、僕のベッドで寄り添って2人でもきゅもきゅしていると、ふと紗奈が何かに気付き顔を上げ言った。
「紗奈、どうしたの?」
「、、、違う。」
紗奈は僕の腕の中から起き上がり、何かを呟く。
「紗奈?」
「私が書いたアレ!もうテンプレじゃない!」
「な、なんだって、、、!?」
紗奈の顔を見る。
紗奈は口を真一文字に結び強く頷く。
可愛かったから、口を奪った。
もきゅもきゅ。
「一体、どういうことなんだ!紗奈。」
「あれ?今、私なんでもきゅもきゅされたの?」
「可愛かったから。」
「あ、、、そう。ありがと。」
「うん。でも突然だね?」
紗奈は僕の胸にもたれかかりながら、アンニュイな雰囲気を演出する。
「考えてみれば分かることだったの。
サバイバル、ダンジョン、魔力最強、内政(貴族)無双、世界最強、おまけで賢者、そしてスキル、そして今、追放逆襲、、、。
その度ごとに移り変わり、僅か半年前はクラス転生追放スキル無双系だったはず、、、。
そして、禁断のカ◯ヨ◯ランキングを見れば分かるわ。
追放系が本当の意味でテンプレではなくなっているわ、、、。
だから、私のあの小説はテンプレにならなかったのね。」
「そうでなくてもテンプレになってなかったよ?」
「うるさいわね、今大事なところなのよ!
口塞ぐわよ?」
僕はカモンと手を広げて見せる。
大人しく紗奈は、僕の口に自分の口を重ねてくる。
もきゅもきゅもきゅ。
ちょっとツイーっと透明に繋がったので、紗奈は口元を手で拭く。
「とにかくテンプレは次に移る前触れが来てるわ。
恐らく5月。」
「カ◯ヨ◯コンか!」
紗奈は意味あり気に頷く。
そして妖艶に微笑む。
「その結果が新しい展開か、、、それとも去りゆくテンプレかによって、カ◯ヨ◯の歴史が変わるわ。
去りゆくテンプレなら、混迷が続く。
それでもどこかで必ずテンプレが生まれる。
人は面白い作品があると欠乏症に陥るの。」
「欠乏症?」
「そう、面白かったその話をもっと読みたくなる。
でも、更新には限りがある。
だから別の作品を探す。
それがテンプレ現象。
私が書店で最強から目を逸らしてしまうのは当然だったの。
だって、それは過ぎたテンプレだったから。」
「なんてことだ、、、。
カ◯ヨ◯コン、、、それがカ◯ヨ◯の運命を握る。
そして、、、。」
「ええ、それが選ばれる選ばれないに限らず、すでに新たなテンプレは産声をあげているはず、、、私たちは気付かないどこかで、、、。」
ゴクっと僕は自然と喉を鳴らしてしまう。
テンプレの未来を想像したから、では当然ない。
勿体ぶる言い方をしながら妖艶な雰囲気を醸し出す紗奈にウズウズしたから。
コイコイと紗奈を呼ぶ。
紗奈は小首を傾げ僕を見つめる。
そのまま僕は口を重ね、紗奈をベッドに押し倒した。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。
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