124日目「ある日、突然、違う作品書きたくなること、あるよね?」

「ある日、突然、違う作品書きたくなること、あるよね?」


僕のベッドの上で、寝転がってコロンコロンと転がりながら、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは、唐突にそう言った。


僕はペンを持ったままくる〜りと椅子を回転させる。


「あるよね?と聞かれても、僕は小説を書いてないから。」

「それもそうね。」

紗奈がこちらを見てそう返す。


相変わらず紗奈は僕のベッドでまな板の鯉である。


僕はなんとなく、椅子から立ち上がりベッドの脇にしゃがみ込む。

目の前には紗奈の顔。

ほっぺたをつっつくとフニャッとしつつハリがある。

うむ、良きかな。


「紗奈、舌出してみて?」

んべっと僕が舌を出すと紗奈も、んべっと舌を出す。

そのまま顔を近づけるけど、紗奈はそのまま待っている。


当然、そのまま近づくので、互いの舌は触れ合う。

ぺとっと。


そのまま、もきゅもきゅ。

もう一つもきゅもきゅ。

まだまだもきゅもきゅ、、、。


口を離し、自分の唇をペロリと舐める。

「紗奈、疲れてるね。」


紗奈も自分の唇をペロリとする。

「何か味がしたの?」


味?


「しな、、、したのかな?」

「颯太、もう一回。」

もきゅもきゅ。


紗奈は首を小さく傾げる。

「んー、甘いような味があるのかな?

もう一回。」

もきゅり。


紗奈はペロリと唇を舐める。

「んー、キスはレモン味とかいうのが定番だけど、どうなんだろ?」

「レモン味ではないかな、、、。」

「飴を舐めたら、味が変わるかも。

颯太!飴!」

「はいはい。」


机にいちご味の飴があったからそれを渡す。

紗奈が飴を口に含み、チョイチョイと手招き。

口を重ねもきゅ、もきゅ。


「飴邪魔。」

プッと紗奈は飴を包みに戻し、もう一度僕と口を重ねる。


もきゅもきゅ。


「うん、飴味はむしろ邪魔ね。」

「、、、まあ、そうかも。紗奈も大概キスが好きだよね。」

僕もだが。


「んー、どうだろ?

颯太とのもきゅもきゅは好きだけど、想像したくない例えばだけど、他の人としてもここまで気持ち良くはならないと思う。

むしろ吐くかもしれない。

まあ、気持ちの問題かもしれないけど、その気持ちが大事というか。

好きな人とのキスだから意味があるかな。」


そういうものかな。

そういうものかもしれない。


「ところで颯太。」

「何?」

「私たちラブコメしてる?」


ラブコメ、、、?


「いや、どうだろう?恋愛はしてるんじゃない?」

「でも私たちのコレ、恋じゃないよ?

愛だよ?」


んん?

厳密にどうこうと言われるとよく分からない。

愛は間違いない。

「ラブ(愛)、コメディだから、コメディぽかったらラブコメなんじゃない?」

「それでいくと恋はなんだろ?

やっぱりラブ(恋)じゃないの?」


oh!日本語難しい!


んー。

ちょっと考える。

答えが出ない。


「颯太!颯太!」

紗奈がベッドをバシバシと叩く。


なんだい?と近付くと、服の首元をぐいっと引っ張られ、口を重ねられる。

もきゅもきゅもきゅもきゅ。


今日は多いね。


「颯太!颯太!」

紗奈がベッドをバシバシとまだ叩く。


隣に来いということらしい。

僕は立ち上がり、机の上をささっと片付けて、紗奈の隣にゴロンと。

「へへへ〜。」

嬉しそうに紗奈は僕の上に乗り、上から口を奪う。

もきゅもきゅ。


「いっただきまーす。」

紗奈は嬉しそうに僕の首筋にキスを落とす。

あ、今日は紗奈から来るのね。

「召し上がれ?」


なんというかこういう毎日ばかりだけど、ラブコメというのだろうか?

僕はなんとなくそう思ったけど、すぐに紗奈に口を奪われ、考えるのをやめた。


もきゅもきゅ、、、。

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