95日目「それで!2人は仲良くやってるの?」

「それで!2人は仲良くやってるの?」

早速、小牧さんが聞いてくる。


お出かけは、カラオケと称した尋問である。

紗奈と2人で並べられ、いきなり質問タイムである。


「やってるよ〜。」

「紗奈には聞いてない!牧田君に聞いてるの!」


僕は苦笑しつつ答える。

「まあ、人並みに。」

流石に毎日欠かさず、もきゅもきゅしているとは言えない。


「倉科さんと牧田って、いつから付き合い出してたんだ?」

興味深々で田中も聞いてくる。

田中にサッカー部はどうしたのか尋ねると、人間関係に疲れて辞めたらしい。


合コンやら、彼女が居るのに浮気やらで盛り上がって、どうにも話が合わなかったとか。

そのノリを強要されてアホらしくなったそうだ。


それは確かに嫌だなと思う。

そのノリが楽しい人も居るのだろうから、一概に良い悪いは言わないが。

浮気はダメだけど。


「2ヶ月ぐらい前からだったかな?」

「どっちから告白?やっぱり幼馴染同士だから、こう誰かに告白されて、倉科が牧田に『どうしようっか〜?』とか相談したのか?」

おい、田中、暴走しすぎ。


紗奈が考え込むようにしてから口を開く。

「、、、そういえば、そういう話したことなかったね?」

『いつ』したことがないのか、それがポイント。

まあ、毎夜僕の部屋でのことだが。

そこは流石に秘密だが。


「そういえば、紗奈が告白された話は聞いたことがないな。」

僕は今更ながらのことを口にする。


そこで佐竹さんが答える。


「そりゃ、そうよ。だってこの娘、男子に対しては、話掛けんなオーラ凄いもの。

手紙貰った時も、その場で突っ返してたし。」


「告白された話、聞きたかった?」

僕は肩をすくめる。

「そりゃあ、ね。気になるから。その場で断ってくれてて良かったよ。」


そう、とだけ紗奈は答える。

そこで僕はピンッときた。

あ、これ、近いうちネット小説の話と絡めて、夜に話すことになりそうだなと。


「俺も颯太から話聞いてても、2人って付き合ってる感じってあんまりしないよな?」

正樹までそう言った。


僕と紗奈は2人で顔を見合わせ、首を傾げる。

傍目にはそうなのかな?


「もう!なんなのよー!もっとイチャイチャしてるんじゃないの!?

そして私たちにイジられなさいよ!」

小牧さんが暴走し出した。


「え?そう言われてもなぁ〜。」

紗奈は困り顔でそう答える。


僕はその様子が可笑しくて、紗奈の頭を撫でて見せて笑いながら答える。

「まあまあ、僕らはぼちぼち、こんな感じだから。」


それを見て、田中がわざとらしくため息を吐く。

「まあ、牧田が倉科にベタ惚れなのは、分かったかな。」

「ふふ〜ん、そうでしょ?そうでしょ?」

何故か紗奈が嬉しそうだ。


佐竹さんがそこでボソリと。

「、、、あんたもベタ惚れなクセに。」

「まあまあ。そろそろ何か歌おうか。」

正樹が笑いながら佐竹さんを宥め、無事、尋問は終了した。


まあ、実際イチャイチャし過ぎなほど、イチャイチャしていますけどね。


僕と紗奈は目が合って、互いに声を出さず笑い合う。

その瞬間はバッチリ皆に見られ、ニマニマされたけどね。

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