75日目その2「倉科ってクールだよな?」

「倉科ってクールだよな?」


クラスメイトが紗奈のことをそう言って、話しているのが聞こえた。

クール?

僕はそっと首を傾げる。


そして、そう言われている紗奈を見る。

友達の小牧さんと楽しそうに、ふふふとクールっぽく笑っている。


小牧さんもクールな見た目をしており、2人並んでいると余計にそう思うのだろうか?


学校の登録上は紗奈はもう、『牧田紗奈』だが、クラスでの影響も考えて今は『倉科紗奈』のままだ。

変更するにしても、2年昇級時の区切りの方が良いということだ。


何気なく紗奈を見ていると、紗奈のことを話していたクラスメイトの田中は僕に話しかけてきた。

「牧田は、倉科と幼馴染なんだよな?

紹介してくんない?」


サッカー部に所属している田中。

普段はあまり話したりはしない。

だからまあ、幼馴染だということは知ってても、それ以外については言ったこともなかったから知らないだろうな。


「紗奈は僕の彼女だから遠慮するよ。」

「ま!!!、、、マジか、、、?」

『ま』で叫びそうになったけど、堪えて改めて僕に聞くので、マジだよ、と答える。


「マジかー、狙ってたのに、マジかー。良いなぁ、可愛い幼馴染、、、俺も可愛い幼馴染欲しかったなぁ、、、マジか〜。」


そう言って、離れていった。

特に相応しくないどうこう言ったりはしない。

というか、実際、男同士でそこまで相応しいどうのこうの、、、言う奴は言うか。


「正直に言うんだな。」

昔からの友人の神田正樹かんだまさきが、その様子を見て言った。

「隠すようなことでもないからね。」

「まあな、それもそうだ。そういえば、どっちから告白したんだ?」


僕は少し思い出す。

あれ、、、?どっちからだっけ?

1ヶ月ほどはお互いにどう聞いても、両想いと思える言い合いをしてたから、、、。


「僕、かな?」

そのすぐ後、紗奈も答えてくれた気もする。

「かな、か。」

まあ、仲が良さそうで良かったよ、と正樹は朗らかに笑う。

内面イケメンと言える良いやつだ。

間違ってもNTRとかを企む奴ではないし、そういうのをはっきり嫌ってもいる。


正樹はニヤッと笑って背中を叩く。

僕の顔は真っ赤だ。


そんななんとも気恥ずかしくモヤモヤした中で帰ると、先に帰ってた紗奈に引っ付かれた。

「颯太ぁあ〜!!愛してるよー。」


だから僕はそんな紗奈が愛しくてたまらなくなり、そのまま口付け。

口を開き舌をもぐらせ、その愛らしい紗奈に触れ続けた。

もきゅもきゅ、、、。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る