37日目★「私、お持ち帰りされたので食べちゃいました。」
「私、お持ち帰りされたので食べちゃいました。」
僕のベッドの上で足をバタバタさせながら、スマホで小説を読んでいた
僕はペンを持つ手をピタっと止めて、そのままの状態で聞く。
「、、、誰に?」
「もちろん、颯太に。」
僕はペンを置き、脱力する。
「あれ?颯太〜、おーい?」
いや、うんまあ、分かってた。
分かってたけどね?
そもそもにして、紗奈は毎日この部屋の居るのに、お持ち帰りも何も、、、あ。
「、、、たしかに、毎日お持ち帰りしてる。」
自分から持ち帰られているとも言う。
ため息をつきながら、椅子から立ち上がり、紗奈の隣に座る。
「はい。」
紗奈の隣に座ると、自然と紗奈はスマホを僕に見せる。
【酔っ払っていた美人を介抱するために家に連れ帰ったら襲われて食べられちゃいました】
うん、一目で分かる話だ。
「あ、結構、大人な小説だね?」
しまくって、、、いやいや。
結婚前提なら中学生相手でも大丈夫とか、かなり前のニュースで放送してたなぁ。
考え出すと難しい話だ。
僕らもお互いが結婚前提のつもりでも、雪崎先生の言ったように、節度を持って行動しなければならないと思う。
さらに読み進める。
「紗奈はこの幼馴染に物申すかと思ったよ。」
「この紗奈右衛門。自らの手に届く距離にいた大事な者を、自らの意思で手放した者に同情などせぬ!!」
ガシッと僕の腰に手を回す。
紗奈右衛門、どこの武士だ?
牧田藩の武士だな。
「こんな感じの美女お姉さんになりた〜い!
卵焼きで颯太の胃袋を掴むのよー。」
「ああ、紗奈が作る卵焼きは1番好きだな。」
僕がさらりと言うと、紗奈はピタリと動きを止める。
「ま、また作るから。」
「ん、よろしくね。」
面白かった。
読み終わってふと、紗奈が最初に言った言葉を思い出す。
『私、お持ち帰りされたので食べちゃいました。』
、、、あれ?
今頃になって気付いた僕は、ニンマリ笑った紗奈に押し倒された。
「ごめんね〜、颯太。我慢の限界から3日間、さらに我慢したんだけど、無理だった。
てへっ。」
「うん、可愛く笑ってるけど、、、。」
僕は紗奈を押し返す。
「あれ?颯太?」
そうして、優しく紗奈を押し倒す。
「一昨日言ったよね?次は僕の番だから。」
紗奈は潤んだ目、それに顔を真っ赤にして。
「、、、はい。」
その言葉を合図に。
紗奈を僕のベッドにお持ち帰りして、食べちゃいました。
、、、余談だけど、次の日の食卓はお肉でした。
義母さんが、体力付けないとね〜と言う中、僕と紗奈は無言で食べました。
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