虜囚

物語の奥深くに

沈んでしまいたくなることがある

思惟にふけって閉じこもり

文字と言葉にくるまって

虜囚とりこのままでいたい

仄昏い場所ここから見る空は

どうしてあんなに美しいのだろう


囚われながらわたしは身悶える

そのくせ離されたくないのだ

このいびつな蜜月に酔いながら

頼りない心が拘束されることに安心する

願わくば覚めない夢を

空が往きつけない場所ところなら

永遠とわの憧れのなかで眠りたい

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