輪廻転生!?暴走族のヘッドが生まれ変わったらなんとお釈迦さまになったらしいので悟りを開いて世界を救います!!

三浦介

第1話 天上天下唯我独尊!夜露死苦!

真椛尊(まかばみこと)はクレーンで吊り上げられていた。


「クッソ!放せゴルァ!?」


真夜中の三時、廃車置き場。ダチと酒飲んで寒くて起きたらこのザマだ。


「へへっ、スーサイドラビットの総長もそうなっちゃオシマイだなぁ!?」


ありゃあ…ブラックパーピマンのピーマン野郎と、シンジじゃねぇか!?


「シンジ!テメェ!裏切ったかよ!?」


あ?ちげーな。ビビってんな。クソ、脅されたかぁ?


さっきまで飲んでた仲間のはずのシンジは、ミコトたちと敵対する暴走族のやつらと一緒に地上にいたが、その暗い顔をみて何が起こったのかだいたいわかった。そうか、なんかわかんねーけどシンジになんか訳があったみたいだな。なら、しゃーねーか。


「す、すまねぇミコト!こいつらがサチコを!ぐぁっ!」


シンジが横にいたピーマン頭に蹴飛ばされる。


「うっせ」


「おいゴルァ!降ろせ!シンジに何したぁ!」


「あ?ちげーよな?言うことがよ?」


クレーンに吊られたミコトと地上のピーマンがにらみ合う。


「B.P.M.に喧嘩売ってごめんなさい、だろ!?言えよホラァ!」(笑)


カスどもが笑い出す。その様子をみてミコトはそいつらが絆で結ばれた仲間などではなく、恐怖で支配された集団だということがわかった。吊られた高さは、わかんないけどけっこう高い。ザコどもは怖くないが脱出しないとどうにもならない。先代から受け継ぐ特攻服に刻まれた【天上天下唯我独尊】のプライドにかけてもミコトは負けらんねーとピーマン頭をにらむ。


「バカ!放せバカ!」


とりあえずミコトはジタバタした。力いっぱい暴れればなんとかなる気がした。


「おい!オマエ!バカかよ!!」


ピーマン頭がなんか言ってら。ミコトはさらに力を込めて暴れた。


「おい!バカ!おい!!」


外れた!


あっ!


落ちた!落ちてる!…ドン!!



(ぐああっ!これで俺もおシャカか…前に乗ってたKHみてーに)


急速に薄れゆく意識。ほぼ即死だった。


そして俺は何故か、古代インドに輪廻転生してしまうことになる。


それもあの、おシャカさまに。

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