【文学フリマ東京11/22 本文サンプル】町・ホラー・アンソロジー『町中怪談』
@kawawatari
呪われた町の物語
「やっぱりこの町って……呪われてるのかな」
そう言って物語を締めた友達に、わたしは曖昧な誤魔化し笑いを向けた。こういうの詳しくないから、感想を求められてもちょっと困る。
とりあえず軽くお礼を言って、今聞いた『物語』をスマホのメモに軽く書留める。今日だけで○つも集まった。こんなことを始めたのはつい最近だけど、もう結構集まったな……正直こんなにあるのは異常だと思う。
わたしは今、この町に纏わる怖い話を集めている。
別に興味がある訳じゃない。昔から幽霊なんて馬鹿馬鹿しいと思ってるし、UMAだってまだ発見されてない新種の動物だって思う。未確認飛行物体とかは大半どっかの国の偉い人が秘密裏に開発してる兵器だろうし、此処とは異なる時間や、歴史を辿った世界なんて、科学的にどう実証するんだ、とか思う。
そんなわたしがどうして、こんな事をしているのか。
答えは簡単だ。わたしは否定したかった、自分の信じる世界に異常なんか存在しないって。幽霊なんて目の錯覚だし、UMAは新種の動物、未確認飛行物体はどっかの国の兵器、異世界なんてある訳ない。そう思いたかった。
だってそうじゃないと、わたしは……
【サンプルここまで】
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