私の暴露

第2話

然し、野中は怒るどころかヤス子さんの持ち出した離縁話を飲み込んだのです。

理由は文学を一筋に一人で取り組みたい、自分の人生の内で学べる物を吸収したいと考えた様でした。

そして、二人の離縁話がまとまりつつある中で、一人困っている者が居りました。

そうです、中本です。

実は中本には若い婚約者が居り、ヤス子さんは本人曰く独身時代の最後の恋人、という事なんだそうです。

聞いておられるだけでも不愉快かと思われます、話している私も不愉快で御座いますから。

本当に、野中とヤス子さんにとってはとてもいい迷惑であったと思いますし中本はどうしようも無い男でありました。

少々脱線いたしますが、私達は高校時代からの友人でした。

高校生の頃から中本は女性関係にはとてもだらしない男でした。

ですが、そんな私達の共通点は「文学」だけだったのです。