07 final & prologue.
プラネタリウム。
中央の天球がゆっくりと回って。
星空が、映し出される。
流れていく。
夜空。
そのなかで。
あなたに。
出会った。
そして。今。
プラネタリウムを出て。
あなたと手を繋いでいる。
まるで、むかしからお互いを知っているかのように。
「あ。雨。止んでる」
「星が見えますね」
「きれい」
流れ星。少しだけ、空を掠める。
「まだ、しにたいですか?」
「いいえ。あなたに会ってから。わたしは」
「うそはついちゃだめです」
「ごめんなさい。まだ、しにたいという気分は、抜けてません。ずっと。こうなんだと思います。わたし」
「そうですか」
「だから。でも。あの。ええと」
「はい」
「わたしがしぬまで。一緒にいて、くださいますか?」
「今日はじめてお互いの顔を見たばかりなのに?」
「それは、そう、ですけど」
「ゆっくり。ゆっくりと、お互いを知りましょうか。少なくとも、今日は。あなたがしぬまで、一緒にいさせていただきます」
「ありがとうございます。うれしい」
二人で歩く。夜の街。
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