「おはようっ」


「うわっ」


「すごかったねっ」


「えっなにが」


「あ、覚えてないんだ。じゃあ思い出させてあげる。おいで?」


「はずかしいな」


「遠慮するなよっ。あなたのためにみがいた身体なんだからっ。ほらほらっ」


「うわっ」


「あったかい?」


「あたたかいです。心臓の音が、します」


「昨日から今日にかけて。あなたが私と何をしたか。おしえてあげましょう」


「いえ。なんか、はずかしいので、聞かないことにします」


「残念でした。昨日から今日にかけて、あなたは寝ていませんっ」


「え」


「おたのしみでしたね。最後は気絶してましたっ。ちなみにわたしは、あなたをずっと見てました。このベッドのなかで。あっなんかねむくなってきたっ。寝ますおやすみっ」


 彼女。


 私を胸に抱いたまま。


 眠りはじめる。


「こどもみたいに、寝入りがはやいな」


 彼女を起こさないように立ち上がろうとしたけど、がっちりホールドされているので、しかたなく彼女を一緒に持ち上げて歩いた。


 部屋の窓を開ける。


 朝焼け。


 街の景色。


 風。


「ぶるぶるっ」


 彼女。震えてる。寒そうだ。


「しかたないな」


 ベッドに戻って、彼女と一緒に毛布をかけて、一緒に眠った。


 離さないように、ぎゅっとしたまま。

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