年齢差入れ替わりの一つの鉱脈(2021/10/4)

 児童書の賞応募、間に合いませんでした。約1000行――内容的には半分くらい――書いてはいますので、来年のいずれかの賞を目指します。

 ということで、ひとまずは「入れ替わりに推理風味を交えたもの」に戻りたいところですが、現在は忙しく、今月いっぱいは身動きが取れない状況です。

 ネット投稿していて途中で止まっているものを完成させたい、別のサイトで新作短編を公開してみたい、という気持ちもありますが、今月はそれらに割く余力がなさそうです。



 入れ替わりについては今も日々考え妄想しています。でもそれを文章化していくのは存外難しくもあるなと気づかされるここ最近でもあります。

 前にここで書いた内容とどれほど違うものを書けるか。そう考え出すと、とたんに手が止まります。いくらでも書けるように思っていましたが、似たようなことを何度も繰り返すのは避けたいと思うとハードルは上がるものですね。



 なので今回は、以前のバージョンアップ的な話を。

 年齢差のある入れ替わりは難しいと前に書きましたが、それに対する一つのアプローチが最近ちょっと流行っているようです。

 それは、年上女性(少女)と比較的幼い少年の入れ替わり。俗に言うおねショタの、入れ替わりです。女性は十代後半から二十代、少年は十代前半というか十歳前後くらいでしょうか。

 エロ漫画や十八禁のネット小説で見かけるもので、女性教師と小学生、女子高生と小学生、アイドルと小学生、新妻と小学生(あるいは中学生)といった組み合わせが特に記憶に残っています。


 前々から普通に描かれるネタではありましたし、私も少し書いたことがありますし書く予定だったりもしますが、見かける頻度が上がってきています。それに読んでみると、ストーリー的な抵抗感が薄い。それはなぜか。

 男性→女性の一般的なTSと入れ替わりTSとでは、最大の違いはやはり、女性→男性のキャラもいるという点でしょう。その元女性(元少女)の扱いの難しさについては以前にも取り上げました。男性の身体で女性的な言動をされると、基本的にしんどいものです。

 ただこれが、小学生くらいの少年の身体だと?

 声変わりもしていない、女装しても違和感ないような幼い少年が、女性的に振る舞う。しかも年齢にはいくらか(あるいは非常に)そぐわない大人びた女性的な雰囲気で。……かなり、いいと思います。

 その代わり、元少年の方はいささか悲惨なことになりかねません。男子小学生が、中学生高校生大学生あるいはそれより上の立場の女性になってしまうのです。滑稽な姿になる危険性は高い。

 しかし、大人びた女性の幼い仕草というものも、それはそれで時にそそるものはあるわけです。


 また、これら両者の問題は、記憶の読み取りや精神の肉体への順応で解決される場合もあります。これは振る舞いについての懸念を解消しつつも、あまりにやり過ぎると入れ替わった意味がメタ的にしかなくなって、読者しか入れ替わりを堪能できなくなる両刃の剣ではありますが……この状態がさらに別種の魅力をもたらすのも事実。

 元は年端もいかない少年が、年上女性としての言葉遣いや行動を完全にマスターして元からそうであったように振る舞う様は、背徳的な魅惑を感じさせます。

 その逆もまた。元は成熟した女性であったのに、幼い男子の身体に沿った言動をしてしまう(強いられる?)元女性というのも、嗜虐心をくすぐります。


 元に戻れない場合(記憶の読み取りなどによる相手へのなりきりはあまりできてない状態で)の悲壮感も、これだと比較的薄いことも、また特色だと言えそうです。

 幼い少年になってしまうことで、女性(少女)は成長した肉体や確立してきた立場を失います。けれど考えようによっては、より良い肉体や立場を自身の手で意識的に築き上げるチャンスを得たとも言えます。

 幼い少年は反対に、一気に成長した肉体や社会的立場を獲得できたということでもあります。早く大人になりたいなどと望んでいた子だったりすると、これは願ったり叶ったりとなるでしょう。

 もちろん話はそう簡単にいかなくて、元女性は男性として思春期をやり直す中で苦悶したり、元少年は成長期をスキップして大人のしかも女性になってしまったことを後悔したりするかもしれません。けどそんな葛藤すらも、この組み合わせならまだ受け入れやすい気がするのです。

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