入れ替わり物語の虜
入河梨茶
ボルダリングのルート選択のように(2020/11/4)
学校一の美少女と冴えない少年が入れ替わったら。女子大生と小学六年生男子が入れ替わったら。姫と勇者が入れ替わったら。新婚旅行で夫婦が入れ替わったら。転校してきた少女と少年が入れ替わったら。幼なじみの男女が入れ替わったら。娘と父親が入れ替わったら。少女と飼っている犬が入れ替わったら。女子中学生と社会人の青年が入れ替わったら。令嬢とモンスターが入れ替わったら。奴隷少女と所有者の息子が入れ替わったら。体育が苦手な女の子と体育会系の男の子が入れ替わったら。王女と貧民の少年が入れ替わったら。アイドルの少女とファンの少年が入れ替わったら。競走馬と馬主の娘が入れ替わったら。新妻と近所の男子中学生が入れ替わったら。
入れ替わり物語に関して、ほぼ毎日のように妄想しています。
これまでに読んだ小説や漫画を思い返すこともあれば、新たな入れ替わり物語を書けないかと考えることも。
ひとまず一本、短くまとめられそうな話を思いついたので、『「5分で読書」短編小説コンテスト』に間に合えばいいなと考えています。
毎日妄想しているのだから毎日小説として書けばいいのにとは自分でも思います。しかし、具体的に小説にしようとすると、思いもよらないところで引っ掛かりが発生する。
常につきまとう課題としては、相手のふりをすることの難しさ。対応策としては、「同じクラス/学校/職場なので、レクチャーし合うことでどうにかごまかせる」「周囲も入れ替わりが起きたことについて認識している」「今の新たな身体の記憶を読み取れるようになる」などですね。しかしこれら設定が入ってくると、妄想していた時に楽しんでいたものとはどこか違う、ということにもなりかねない場合が。
入れ替わりなので、妄想の時には無視していた相手側の視点で考えるとおかしなことになってしまうということもあります。ハーレムの主と入れ替わらされた平凡な少女の話を長らく温めているのですが、元少女の側は主人公なので色々思いつきつつも、元男の方の行動や心理がいまいち見えなくて長らく足踏み状態だったりします(最近ようやく少し思いついたことがありますので、形にできればいいのですが)。
あるいは、物語のスケールが、小説化するにはボリュームがありすぎるケースなどもあります。例えば、時々妄想するものに十七歳の娘と四十七歳の父親が入れ替わって七年後に元に戻る話がありますが、最初の入れ替わった直後はもちろんじっくり書きたいし途中の大学受験だの初体験だのも押さえないわけにいかないしクライマックスも……となると、どれくらい長い話になるのかと。
ボルダリングにはあまり詳しくありませんが、壁にはめ込まれた様々な石をどう使って登っていくか、ルート選択が非常に重要なようです。
妄想の中では「この石からあの石へ移動して……」と完璧に見えていたルートも、現実に書いてみると「あの石は遠すぎた」「その石へ移るには筋力が足りない」など、あれこれ難題が見えてきます。
でも、書き始めてからそれらに尻込みしているばかりでも、書き始める前にそれら難題を見つけたから書けなくてもしかたないと諦めてばかりなのもダメですね。正確なルート選択ができるように想像力を働かせ、書く筋力のようなものも鍛えて……そして時には見切り発車で飛びついてみるような勢いも忘れず、作品を妄想で終わらせないようにしたいと思います。
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