202011 ジャパロボ 49

渋谷かな

第1話 ジャパロボ49

「おやじ! ラーメンを7人前!」

 祐奈は昔の屋台のラーメン屋、イマドキではフードトラックのラーメン屋でラーメンを頼む。

「すいません。席が少ないんで相席でもいいですか?」

「いいとも!」

 祐奈たちはラーメンにありつけた。

「すいません。失礼しま・・・・・・あ!? あなたは!?」

 親切に相席の挨拶をする麻衣たちが見た者。

「前田みなみ!?」

 ラーメン屋にいたのは反大日本帝国同盟ジャパカイダのリーダー前田みなみであった。

「ブー!?」

 みなみはラーメンを喉に詰まらせて噴き出した。

「大丈夫ですか!? みなみ様!?」

 みなみは敦子、まゆ、由紀と4人でラーメンを食べに来ていた。

「こいつらは自衛隊だ!?」

「自衛隊!? 我らの宿敵だ!?」

「しかも! 祐奈隊だ!」

 祐奈がひょっこり現れる。

「サインください!」

「写真撮ってもいいですか!」

「握手して下さい!」

 ミーハーな敦子たち3人も、みなみ同様に国民的アイドルの祐奈のファンであった。

「裏切り者!?」

 みなみは敦子たちを疑う。

「おお! 我がチーム祐奈の新人隊員のみなみちゃんじゃないか!」

 祐奈はみなみを見つけた。みなみはチーム祐奈の隊員募集に応募して、書類選考を通過し面接を受けて入隊が決まっていた。

「連絡が取れないから、事故にでもあったのかと心配したんだよ。」

「え?」

 麻衣がみなみにコソコソ声で耳打ちをする。

「祐奈教官はあなたが反大日本帝国同盟ジャパカイダのリーダーとは知らないのよ。」

「え!? どうして?」

「祐奈教官は寝ていたからよ。」

 いつでも、どこでも、誰とでも眠れる祐奈は新人採用面接中でも眠る。

「お友達かい?」

「は、はい。女子会です。」

 テロリストも女子会はする。

「おお! 奇遇だね! 私たちも女子会なんだ! 一緒にガールズトークしよう!」

「いいんですか?」

「いいんです。今日は私の奢りだ! じゃんじゃん食べて飲んでくれ!」

 気分が良い太っ腹な祐奈。

「ありがとうございます!」

「祐奈さん! カッコイイ!」

「昭和の大スターって感じ!」

 敦子たちは祐奈の外面だけを見てときめいた。

「よし! みんなでガールズトークだ! アハッ!」

 褒めらえて機嫌が良い祐奈は更に盛り上がる。

「紹介しよう。私の娘のイリスと下の子のさとみだ。」

「宜しくお願い致します。」

「いつも母がお世話になってます。」

「まだ世話はしてないんだけど。アハッ!」

 みなみに祐奈は自分の娘を紹介する。 

「どうも、こちらこそお世話になってます。」

(祐奈さんには娘がいる!? 私は結子お姉ちゃんを失ったのに!?)

 みなみに殺意が芽生える。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202011 ジャパロボ 49 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る