スーパーハイパーベリーベリーグッドな異世界転生の王道ファンタジー小説

「おい、お前。おいったら……。起きろー!」

 耳元でギャンギャンと。

 喚くものではないだろう。

「何ですか、うるせぇな」

「お、やっと目を覚ましたか」

「耳元で騒がれちゃ、すやすやと寝ることもできませんよ」

「まあ、起きたんなら良いや。えーっとねー、アンタなー、転生しろー!」

「おやすみなさい」

 これは関わったら面倒な奴だ。高い壺を買わされるんだ。

 高い壺とか何に使うの?

 エロ本の隠し場所?

「起きろー!」

「何ですか?」

「だから、転生してもらうっての!」

「三度寝が未だなんですけど」

「いつからあーたはそんな子になっちゃったの? 小学校の頃は六時半には起きて、七時には元気に登校してたのに……」

「大人は最大限、悪意から身を守るんですよ。そのための逃避です、三度寝は」

 三度、三度の外敵からの防衛本能。

 強かな幼馴染みに叩き起こされ、肋を骨折した苦い思い出。

 よく考えたら、眠りは某RPGゲームの裏ボスのように実力を減退させるのではないか。

「流石に三度寝はなー。満谷みつたに莉音りおん

「莉音とか呼ばれるの好きじゃないんだが」

 その名前は男らしくない。

 だからあまり好きじゃない。

 親がくれた名前だなどと言うが、顔も知らない親がくれた名前だ。興味はない。

「……で、高い壺も買わせないから異世界に行ってくれよー」

「嫌ですよ。何で、そんなクソ条件で異世界に行かにゃならんのですか」

「じゃあ、賢者の石もあげるからー」

「使い方知らんのですけど」

「説明書ちゃんと読むタイプ?」

「ゲームは説明書読まないです」

「じゃあ、大丈夫だってー」

「え、待って。俺はどこに向かわされるんですか?」

「あ、ごめん。賢者の石、直接配送しちゃったから頑張って探してちょ」

「は?」

「えーと、君が行く世界だっけ? 天動説世界で、面積にして地球の数十倍はありそうな世界?」

「……すいませーん、断りたいんですけども」

「え、でも転生特典送っちゃったし……」

「死ね」

「今、ナチュラルに死ねって言ったな!」

「ちょ、身体が……!」

「バイバーイ!」

 

 

 

 そんなこんなで納得のいかないまま莉音は異世界へと送り込まれてしまった。

 転生特典の賢者の石は莉音が異世界へ転生する数十万年も前の世界に送り込まれていた。

 因みに賢者の石の能力は説明書の様に脳内に埋め込まれていたのであった。




***


 私には珍しい、超王道異世界転生ファンタジーです。賢者の石はそれだけでもエネルギーの塊で無尽蔵に何かを動かすことができると言う超絶チートアイテムです。

 また、これには無色という特性があるためどんな使用方法にも適用できます。

 さらに、エネルギーを溜め込む性質もあるため、使用するたびにエネルギーが溜まっていきます。

 最大容量になったら星一つを軽々と吹き飛ばすエネルギー爆弾になります。いろいろ混ざっているので本当にヤバいです。

 適切なエネルギー発散方法は主人公しか知りません。

 つまるところ、異世界爆弾解除マニュアルですね。

 的な、どうでも良い情報を書いていく!

 

 

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