不完全な完璧主義

綿麻きぬ

0か1かの世界

 不完全な完璧主義


 僕は望む、完璧を。それを望みながら、掴むための行動をするが手には入らない。そもそもの行動も完璧ではないのだから、完璧は手に入らない。


 それでも完璧を求めるがそれは一向に手に入らない。いつしかそれを追い求めるのに疲れてしまった。


 そこで僕が行き着いた先は0か1かの「やる」か「やらない」かの世界だった。この2択しかない。やるを選択したとしても完璧は手に入らない、だとしたら必然的にやらないを選択することになるのは当たり前だろう。


 そんな中、僕は段々と自分が堕ちていくのが分かる。完璧を求めることによって保っていた自分が崩れていくのが目に見えて分かっていった。


 崩れ去った自分には何が残っているのだろうか。ただ完璧を求めていたという虚無だけが残っていた。


 その虚無に呑まれながら僕は今、宙に浮いている。地に足がつかない。


 フワフワとしている中で僕は今を生きている。もう僕自身の力では土を踏めない。きっと未来もそうだろう。


 だから僕は誰かに縋るのだろう。

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不完全な完璧主義 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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