第12話 初心者教育?
隣の2施設を一部屋分だとすると2DK?仮に7万エル相当の賃貸がこのレベルだとすると、都内のが物価が高いことになるな。俺が住んでた部屋はワンルームだったし下手するとこの寝室より狭かったかも。でも7万円とられてた。賃貸料と食料などの物価がどこまで連動するかって話でもあるからわからないが。
さて、カーテンがあるってことは窓だよな。御開帳とな。
あー。曇りガラスですか。開けられないし。ぼんやりと、少なくとも同じ高さに建物はありそうだということしかわからない。あえて見せないようにしてるということなのか。眺望より覗き防止と言うか、プライバシーの保護的なものかもな。だったら壁でもと思わなくもない。外の明かりの確保、いや変化がわかるようにしてるのかな。
・・・センサー式照明があるくらいならタイマー式照明でできるような気もする。
よかった。さすがに寝室は任意のスイッチで消せるようだ。リモコンらしきものもあるが、こっちのパネル用か?
てことは寝ころがりながら操作できるようになってるかも。
ひとまず、甚兵衛でいいか。これ持って風呂行こう。あ、湯沸かししてからか。
端末で操作かな。あそこまであって、風呂場でしか操作できないとかないだろう。
寝室のパネルも使えるかな。触ると起動した。メニューも同じだな。ひとまず浴室の設備案内まで行き、メニューを見るとやっぱりあった。
給湯温度 39度
保持温度 39度
浴槽湯量 350立突
39度か。まあいいか。+3度くらいとか書いてあったからこの世界の人も体温36度くらいか。
しかし、単位もあってるってことかな。まさか翻訳魔法で単位換算までしてないよな。
350立突は、、、リットル?
うん普段そこまで気にして湯量を見てない。ひとまず湯舟の大きさ見るか。
自動給湯ボタンを押して、結局実物を見に浴室に行ってみる。
実家の風呂よりもでかいな。少なくとも賃貸アパートの風呂より格段にでかい。
まあ、ここの扉や天井基準なら浴槽もでかくないと変か。足を延ばしてくつろげそうだ。
待ち時間はさっきの続きをしよう。
テーブルのほうのパネルで教育娯楽を開く
生活
社会
言語
算数
理科
芸術
仮想現実
小学校の授業みたいな感じにも見えるが、微妙に違うな。しかし、娯楽要素あるのかな。そして仮想現実が異質だ。魔法はないのか?
生活が先か。順番がどこまで関係あるかはわからないが上から見るか。
生活のボタンを触る。
初心者教育
これもここからか。先に進んでみよう。
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あなたが今いるのは、ハルサーテ国、トーチカ街です。
「生活」の教育内容はこの街で暮らすために守るべき規律、把握しておくべき規則、必要となる技能の習得を目的としたものです。
教育内容における習得状況は10級から1級までで判定します。
初心者教育の修了は10級以上の認定となります。
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これ、対象年齢どうなってるんだろう。言葉は子供向けではなさそうだが、、翻訳魔法がどこまで仕事してるのか。そして、数字で級ときたか。その上があるとしたら段ですかね。
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あなたには生存権があります。生存権とは公共の福祉に反しない限り、健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる権利です。
あなただけでなく、あなたの周りの人にも生存権があります。公共の福祉とは、各個人の生存権を尊重した、全体の幸福を求めた社会的な援助を意味します。
他人の生存権を脅かしたり、社会的な援助を破壊することにつながる行為は公共の福祉に反することとなり、そのような結果をもたらす方の生存権は制限されます。
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ここからか。似たようなことは既に聞いたな。基本的人権の尊重とかもそのうち出てくるかな。
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権利は義務を負うことで保障されます。
社会的な援助を維持するために、この街に関わる全ての人に納税の義務を課します。
この街での身分証を介したあらゆる取引では、定められた税率により自動的に納税を行っています。
また、あなたに所得がある場合はその金額によって段階的な税率が定められ、納税の義務を負います。
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おっと、所得税はあったか。累進課税のようだ。まあ、消費税だけだったらどんだけの税率もってけば維持できるのかわからないしな。逆進性があるから低所得者には厳しい税のはずだし。7万もらっても都度とられて生活できない税率ってことはないだろう。結局何パーセントなのかまだわからないが。とはいえ、身分証を介したとあるから、物々交換だと税金かからないってことか。まあ簡単にはかけられないともいえるな。カード使えば自動化されて納税になってるようだが、税逃れの物々交換からとろうとしたら、現場抑えて、金額の査定してと、とる手間考えると大きな取引じゃないとわりにあわなそうだ。
あれ、街から持ち出す人には物品からも徴収するのかな?金額の持ち出しについては聞いたけど、資産価値のあるものは聞いてないな。えーと、ここで買ったものなら買ったときに払ってるから、出るときに徴収されると二重取りだな。物々交換だとしても交換する物が買ったものなら同じだな。育てたものや作ったものだとしても、手間暇かけて付加価値つけたんだったら単純に労働の対価だな。よし、物の価値から持ち出し時に徴収されるようなら暴利な仕組みだと理解しよう。ないことを祈る。
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所得とは、収入から収入を得るために必要な経費を差し引いた金額のことです。物を仕入れて売るという商売の基本的な例で言えば、あなたが売った商品の売上額から、売る物を仕入れるためにかけた費用を差し引いた利益が該当します。商売の会計上は利益と言い、税法上は所得と表現しますが、収入や費用の見方が異なる場合があるため、区別しています。
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やっぱり子供むけじゃないだろ。10級でどこまでやるんだ。いや別にわかるからいいんだが。んー?所得税は仕入れ額とかの費用をちゃんと引いてるが、すべての取引で自動的に納税ってことは、日本の消費税みたく、仕入税額控除とかない?
まあ、二重取り防ぐための仕組みだとしても、それでシステム複雑になって余計な費用かけてる気がしてたから別にいいんだが。税は簡潔にって言うけど、あんな複雑になるもんはねぇよ。消費税は仕入れるときに取られてたとしても、その分は法人上の所得として必要経費になるだろうに、なんで2つの税で整合性とれてりゃいいじゃんと思わなかったんだろうかね。税の原則がーとか言う人いるんだろうけど、簡潔になるほう優先せーよ。軽減税率なんて、あれでどんだけのシステム屋が苦しんだのか。プロならできて当たり前とか思うかもしれないが、ピンキリやで。どこの世界も。複雑なものを作れば仕事が増える典型例だな。しかも顧客は対応するだけで売上増につながる話じゃないから費用もそこまでかけられず、利益にならないし作業は増えるし、こんな複雑な法案通しておいて生産性がーとかどの口が言ってんだって思う話だったな。そのくせ端数調整の仕方はあいまいなままだから、会計分けたほうが安くなるとか、取引先ごとに計算違うとかわけわからんようになる。それで商談の駆け引きとか面倒なことになってるだろうに。
はぁ、変なスイッチ入ってた。切り替えよう。
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