9:「夢の中の『すごい物語』を忘れてしまって勿体ない」は、実はそんなに勿体なくないので大丈夫

クリエイターさんが「夢の中で『すごいもの』を思いついたのに、起きたら覚えてなかった。もったいない!」と仰っているのを時々見聞きしますが…


よほど前衛的な作品のクリエイターさんでもない限り、おそらくそれは「もったいなくない」ので大丈夫かと思われます。


なぜなら、自分もよく夢の中の物語を「すごい!傑作だ!」と思ったりするのですが…


目覚めてからその「すごい物語」を文字に起こしてみると、内容が実に支離滅裂で滅茶苦茶なのです。


そもそも夢の中では、現実世界での「常識」を忘れた状態で物事を見ています。


夢の中は常に思考力が低下している状態で、「おかしなもの」に疑問を抱くことも(ほとんど※)できません。


(※夢に対する意識が変わると、時々疑問を抱けるようにもなります。)


「ここからこう展開するのは、辻褄が合わない」「常識的に考えてあり得ない」というツッコミを、夢の中では(ほとんど)思いつくことさえできないのです。


現実では避けられない「辻褄合わせ」や「常識」を無視すれば、「常識を超えたダイナミックな展開」が描けるのは、当然のことです。


しかし、それをいざ現実世界で「作品」にしようと思ったなら…クリエイターは「駄目だ、辻褄が合わない」「常識的に見ておかしい」と悩むことになるはずです。


夢の中の「すごいもの」は、夢の中だからこそ、すごく感じられるのです。


思考力が平常に働く現実世界で見てみたなら、多々ある「おかしい」部分が気になって、とても単純に「すごい」とは思えなくなるはずです。


なので、夢の中の「すごいもの」を忘れてしまったからと言って、そう嘆くことはありません。


…もっとも、ビジュアル的には普通にすごかったり、その支離滅裂さが面白おかしくて個人的に楽しめたりするので、覚えておいて損も無いですが…。


(夢に個人差が出るとしたら、支離滅裂でない「筋の通った夢」を見る方もいらっしゃるかも知れませんし…。)

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