2:夢を忘れる理由
夢はなぜ忘れやすいのか――その理由について、ひとつ考えていることがあります。
自分は時々、現実と区別がつかないほどリアルな夢を見ることがあります。
夢ならではの不可解な点や辻褄の合わない部分がほとんど無い、過去の記憶をそのまま、少しだけシチュエーションや登場人物の行動を変えて再現しただけのような、とてもリアルな夢です。
そういう夢を忘れることも記憶が薄れることもなく、鮮明にはっきり記憶し続けたとしたらどうなるのか…
それは現実の過去の記憶の中に紛れ、現実に起きたことなのか、夢で見たことなのか区別がつかなくなくなるのではないでしょうか。
実際、自分にも覚えがあります。
それは自分が物心ついて最初の頃の記憶なのですが…
親に風呂に入れられていて、風呂場に吊るされた透明なポーチを眺めていた時、ふと「そのポーチの中には以前、カラフルな包み紙に包まれたキャンディかチョコが入っていて、それを自分は芝生の綺麗な、広々した場所へ出かけた時に見ていた」ということを「思い出した」のです。
しかし「思い出した」それが、本当に過去に自分が経験したことなのか、それとも想像か、夜に見た夢の記憶なのかが判然としませんでした。
(まだ脳も未発達な乳児の頃のため、認識能力も未熟だったと思います。)
人は現実に起きた出来事でさえ、時が経つにつれ曖昧になっていくものです。
そんな過去の記憶の中に、リアル過ぎる夢の記憶が紛れ込んでしまったとしたら…
それは場合によっては現実生活に支障を来たすような「混乱」をもたらすのではないでしょうか。
だからこそ、夢には元々「忘れやすい」機能が備わっているのではないか…
何の根拠もありませんが、自分はそんな風に考えることがあります。
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