第4話 万聖節(ハロウィン)

 10月末。また机にバンブーチョコが入っていた。


『ゆいさん

 ハロウィンバージョンのバンブーチョコを見つけて、衝動買いしてしまいました。勝手ながら、お裾分けさせていただきます♪   はつみ』


「ええ!?」

「ど、どうした、ゆいさん!?」

 思わず大声が出て、りょうさんがぎょっとした声で言った。

「ああ、ごめん。机にチョコが入ってて」

「それはびっくりだね。けど、そんな大声出さなくても」

「うん…」


 びっくりしたのはチョコが入っていたからじゃない。自分も、同じデザインのバンブーチョコを見つけて、机にこっそり忍ばせようとしていたからだ。


『はつみさん

 チョコ、ありがとうございました。こちらのチョコは、あなたがくださったものではなく、私が買ったものです。おもしろいデザイン、さしあげたいな、と思って。

 こんなぐうぜん、あるんですね^^   ゆい』


        ***


「ええ!?」

「ど、どうしたの、はつみ!?」

 思わず大声が出て、奈緒がぎょっとした声で言った。

「ああ、ごめん。なんでもないの」

「…ふーん?」


 先週末に机に入れたのとまったく同じチョコが机の中にあって、あれ?? と思いつつ付箋を読んで、思わず大声が出た。ほんと、こんな偶然って、あるんだ―。

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