第2話
「あれ? 無い?」
家に帰って、気が付いた。ペンケースに付けていたマスコットが無くなっている。従姉の紗南ちゃんがお揃いよってくれた、大事なものなのに!
あちこち探すけど見つからない。泣きたい気持ちになったそのとき、ふと、教室でペンケースを落としたことを思い出した。もしや、あの時外れたの? 明日探さなくちゃ。誰かに持って行かれてたらどうしよう??
いろいろな考えが頭を去来して、その夜はあんまり眠れなかった。
***
翌日、教室に行ったら、マスコットがあった! 机の中に入っていた。付箋メモと一緒に。
『このつくえの下に落ちていたから、ここにおきました。あなたのでなかったら、まわりに落とした人がいないか、きいてあげていただけますか?』
綺麗で、柔らかな字。人柄が出ているのかな、と思った。
購買で可愛い付箋と小さなチョコを買う。付箋を1枚剥がし、できるだけ丁寧に、書いた。
『ありがとうございます。私のです。大切な人からもらった物だったので、見つけていただいて助かりました。よかったら、お礼を受け取ってください。』
ちょっと迷ってから、名前を書いた。初海、ではなく、ひらがなで「はつみ」と。それから付箋をチョコの小袋に貼り、机の中にそっと置いた。
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