⚓ 隣の席の人と
春嵐
01 左側
隣の席の人と。
いつも一緒にいる。
今日も。校庭の隅の、陽当たりがいいけど誰も座らないベンチを陣取って。
お昼ごはんを一緒に食べた。彼の作るお弁当は、いつも、美味しい。大好き。
授業も。一緒に受ける。教室の移動も。一緒。いつも一緒。
「好き?」
ことあるごとに。訊いてみる。
「好きだけど」
彼は、いつも、そう答える。
好きだけど、なんなんだろう。
それとも、今どきの若い子的な言葉遣いで。とっても好きなんだけどの砕けた形なのかな。好きだけど。
わたしも好き。
いつも一緒。
教室では目立たないようにしてるけど。
授業中、手を繋ぎたいぐらいに。
好き。
右側を向けば。
いつも、あなたがいる。
それだけで。
しあわせ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます