⑦ お正月デート報告会、これにておひらき
ここまで聴いたももちゃんは、爆笑。
「タコと魚の目! そりゃ一人で抱えてたら辛いわ~」
「ももぽん悪いわよ、そんなに笑ったら」
そう言うせいらちゃんも、目の端に涙浮かんでますけど……。
「でも、これで恋文(こいぶ)みくじの謎は解決ね! 結果は全員大吉」
「当然でしょ~」
うん。
みんな最高のお正月になったね。
「でも夢、真面目なハナシ痛かったね。海岸からここまで歩いて帰ってきたんでしょう」
「え?」
いやその、それは……。
困っていると、せいらちゃんが訳知り顔で、
「やぁねももぽん。そんなわけないじゃない。一緒にいたのが、星崎王子様よ?」
「あ、そっか……」
二人にはもう、お話の最後がわかっちゃったみたい。
え、みんなにももうわかっちゃった?
それでも、一応、話すとね。
『気づかなくてごめん。――じゃ、これで帰ろうか』
彼はそう言って、わたしのひざを腕ですくって――。
抱き上げられたまま、帰ってきちゃったの。
足は楽だったけど、心臓はバクバクで恥ずかしかったよ~。
「ごちそうさま夢っち。それじゃ、そろそろ今年第一回目の会議の終了時刻みたいね」
せいらちゃんが言って、時計を見上げると、ほんとだ。もう6時を5分過ぎてる。
恋バナ会議してると、時間が経つのがあっという間だね。
「では、今年も、チーム文学乙女のますますの発展と友情を祈って」
ももちゃんが、テーブルの上に手を差し出す。
その上にせいらちゃん、そしてわたしが手を置いて。えいえいおーっと力を入れた円陣が、弾んだ。
ももちゃん、せいらちゃんの順で、閉会の言葉を叫んだんだ。
「恋気分いっぱいのお正月、おめでとうでした!」
「今年も、恋と文学をがんばりましょう!」
最後は、わたし。
「今年も来年も再来年も、みんなに幸せが続いていきますように!」
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