第181話 麻弥と舞恋とデート! 前半戦
「じゃあハニー、お店はボクらに任せて、麻弥と舞恋をお願いね」
「おう」
話し合いの結果、俺の自由時間はみんなでシェアすることになった。
俺の彼女である桐葉、真理愛、茉美とはそれぞれ二人っきりの時間を作り、友達である舞恋、麻弥、詩冴、美稲とはふたりずつ、3人で回る予定だ。
俺と舞恋、それに麻弥が廊下に出ると、入り口である反対側のドアには、早くも男子生徒たちが列を作っていた。
お目当ては、もちろん、うちのキレイどころたちだ。
男子たちは口々に内峰がどうだとか、有馬がこうだとか言っている。
一部、 麻弥たんに給仕されたいと鼻息を荒くして殴られている男子がいた。
「ばかやろう! 我ら紳士は永遠の観測者! 給仕されるのではなく他人に給仕する麻弥たんを見守るべきだろう!」
「すいません!」
――ごめんよ、麻弥たんはいま自由時間なんだよ。
心の中でコンマ一秒の黙とうを捧げてから、俺はふたりを連れて隣の教室へ向かった。
◆
隣の1年2組の教室。
そこは琴石糸恋の予告通り、世界の毒生物展を行っていた。
教室の入り口からして、毒々しい生物たちのMR動画が貼り付けられ、いかにも、という感じだ。
しかし、麻弥がちょっと気になるらしい。
「いらっしゃーい♪」
ドアを開けると、さっそく琴石がお出迎えしてくれた。
明るくステレオタイプの関西人なノリだが、俺の顔を見るなり固まった。
「ハ、ハニー!?」
ぽっと頬を赤らめて、琴石は口に手を当てた。
「あっ」
その反応に、つい、俺も思い出してしまった。
体育祭で起きた、あのラッキースケベを。
琴石は、長い銀髪に翠眼というオンリーワンの容姿に加えて美人で背が高く、手足もスラリと長い。
そして、桐葉並のサイズを誇る豊乳とヒップの持ち主でもある。
そんな子のナマ乳に顔を埋めてしまったことで、下半身に眠る邪心がうずいてしまう。
女子の好き嫌いを外見で判断するのは最低下劣な行為ではあるものの、視覚情報である以上、視界に収めたときのインパクトには抗えない。
「み、見に来てくれたんやなぁ、わざわざ、うれしいわぁ」
お礼を言いつつ、俺とは目線を合わせない。
頬を赤らめ、顔を逸らし、両手は制服越しでも自己主張を抑えられない胸を隠し、内股になってスカートの下でふとももをこすり合わせている。
しかも小声で、
「……ハニー……ウチのはじめてのヒト……」
とか呟いている。
――やめろ。お前のそれは恋じゃない。
恋に恋する、あるいはただの義務感。
なんて説明すればいいのかわからない、けど、あられもない姿を見られてしまったからもうこの人と結婚するしかない、みたいなのはよくないと思う。
――あと俺の名前はハニーじゃない。
俺と琴石の間に流れるなんともいえない空気に、舞恋はどうしていいかわからず、ひたすらに、はわはわとしていた。可愛い。
「もふもふなのです」
そんな空気を破ったのは、麻弥の幼い声だった。
麻弥が注目しているケージには、モッフモフのクモが入っていた。
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レビューをいただきました。
超能力をバトルではなく政策(しかも主人公は出世する訳では無い)に使うのは斬新で面白い!
ただ、登場人物が極端すぎる。この世界には善人か悪人のふたパターンしか登場せずさすがに違和感を覚える。(一部抜粋)
え? つまりエロテロリストの枝幸詩冴と唯我独尊お嬢様貴美美方も善人として認めてくれるんですね!
ありがとうございます!
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本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。
みなさんのおかげで
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達成です。重ねてありがとうございます。
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