第139話 軍靴の音が聞こえる謝罪と賠償を要求する!
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(桐葉の胸が思ったより小さく見える、という指摘があります。これは黒くて乳袋の無いリアル制服を着て正面から見ているからです。横から見たイラストだともっと大きく見えます。書籍版では桐葉の豊乳設定がなくなったわけではないです。体にフィットしたタイトスーツ姿の早百合ちゃんはデカイです)
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だがここで、急に反日団体の判日が息を吹き返した。
「異能者は異能で問題を犯したから問題なのです。一般人と一緒にしないでください。プロレスラーがプロレス技で人を殺したら問題視されるのと同じです」
まさにああ言えばこう言う。
とにもかくにも、向こうは能力者は危険という結論へ着地させるためならどんな曲解拡大解釈も辞さない構えだ。
「どう言い訳をしようが戦闘系能力者が事件を起こしたのは事実です! そしてそれが戦闘系能力を持っているからこそと、今、君が証言したんですよ!」
口角を上げ、ぞろりと前歯を見せながら判日は笑った。
「証言を曲解しないでください。坂東は自分の能力を活かせないことに憤りを覚えていただけで、戦闘系能力者が全員凶行に及ぶわけではありません」
「詭弁ですね。それに聞いていますよ。戦闘系能力者には要人警護の仕事があったのに多くの生徒は精神鑑定代わりのサイコメトリーを拒否して仕事に就けなかったと。戦闘系能力は皆、うしろめたいことをしているという証拠じゃないですか」
それを言われると、少し辛い。
いや、説明には時間がかかる。
坂東の件を指摘された時のために参加したのに、討論で押し切れないことが悔しくて、俺は歯噛みした。
むしろ、俺の発言のせいで上げ足を取られている。
――ッ、くそ、どうすれば。
「先月に至っては、伊集院という能力者が殺人教唆とテロ行為を行ったとか。それまでなんの問題も無かったのに異能局に勤め始めてからの凶行。監督責任を問われますよ?」
判日の視線を受けて、早百合次官は冷静に、だけど力強い声で反論した。
「ストレスが原因で事件を起こすのは一般人も同じだろう。戦闘系能力者が特別に犯罪性が高いわけではない。伊集院についても、原因は男女間トラブルでだと解っている」
「ふふん、そうやって肩を持つのは異能者を軍事利用したいからなのでしょう? そうなのでしょう? やはり政府は軍国主義に傾倒しているんだ!」
「今のところその予定はないが、仮に軍事利用すると何か問題なのか?」
「異能者軍でアジア各国に侵略して軍国主義に戻るに決まっている!」
「OUはすでに異能者を軍事利用する動きがあるが、それについてはどう思う?」
今度はOU系団体の折柄が立ち上がった。
「今は日本の話をしているんです。海外については内政干渉です。それに侵略国である日本と違い、OUは侵略国ではありません! OU国に謝罪しなさい!」
「そうだ! OUに謝罪しろ!」
「同じアジアの仲間であるOUとの友好を邪魔するな!」
他の二人まで加勢した。
どうやら、OUと市民団体との癒着が進んでいるらしい。
「随分と日本に厳しくOUに優しいな。何か理由でもあるのか?」
早百合次官の問いに、三人の顔色が変わりテーブルを叩いた。
「黙れ軍国主義者! 話をすり替えるな!」
「お前らはアビリティリーグを足掛かりに能力者を軍事利用しようとしているんだ!」
「その先にあるのは徴兵! 侵略戦争! アジアの植民地化でしょう!」
三人は早百合次官に喋る隙を与えず、同時に早口で罵ってきた。
とはいえ、内容は戦争反対、軍国主義反対などの美辞麗句だけに、頭の悪い人には向こうが正義に見えてしまうだろう。
俺らの目的は、こいつらを倒すことじゃない。
だけど、今日の討論が視聴者にどんな印象を与えるのか、未知数だ。
俺が不安と悔しさの中、逆転の方法を探ると、ソレは起きた。
「おい、なんだこの映像は!?」
ディレクターの声に気づいて俺らはメインモニターに目をやった。
そこには、地糸がどこかの事務所でスーツ姿の男から茶封筒を貰っているシーンが映っている。
『いやぁ、やっぱり現金が一番ですなぁ。電子マネーならすぐに足がつきますから』
『では異能局への妨害工作はお願いしますよ』
『任せて下さい。バカなネット民や国民なんてね、私の口八丁ってコロってなもんですよ。それよりも日本がOUに併合されたあと、私のポストは?』
『心配しなくても君たち日本人工作員にはOU議会の上級党員の地位を約束しよう。君は日本併合の英雄になるのです』
『くぅ~、たまりませんなぁ』
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本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。
みなさんのおかげで
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達成です。重ねてありがとうございます。
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