クール先輩と話しかけられない僕

楽園ロング

第1話 先輩

中学時代に好きであった先輩がいた。先輩は頭が良く勉強もよく教えてもらい優しいところもあったが少しSな一面もあり話していると面白く好意を抱くようになった。しかし、卒業してからは話す機会もなくなり一年ほど彼女の姿は見なかった。その後自分も卒業し市内の進学校に通っている。市内とはいえ電車で一駅分の場所に建っている。初日、電車に乗るとそこには彼女の姿があった。彼女は僕の方をじっと見つめて『なんでこの高校に入れたんだろ』というような目線で僕を見ていた。話しかけようかとも思ったがここで話しかけて気持ち悪がられても嫌なのでやめておくことにした。

 その後一年が経ち僕も彼女も進級したが距離は同じであった。たまにこっちを見てくることはあったが、話しかけることも話しかけられることも全くなかった。むしろ目が合っても目をそらしあまり関係は良いとは言えなくなっていった。

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