異論は認めない

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突然早田課長とグループ長に呼ばれ、会議室で面談があった。


IT管理課はいくつかチームに分かれていて、私はインフラチームの庶務とヘルプデスク業を主として働いている。課全体の取りまとめは管理チームがしていて、当然課長の秘書的な役割も管理チームが行う。ところが管理チームの庶務が突然辞めてしまったそうだ。


「すぐに人を入れるのは難しいし、入ったとしても新人を課長秘書にするわけにはいかない。そこで朱宮さん、兼務という形で課長のサポートをお願いしたいんだ。君なら経験豊富で信頼もあるし、お任せしたい。」


「僕は本当は専属でお願いしたいと思ったんだけど、甲田グループ長が君を離さないんだよ。」


にこやかに話をする甲田グループ長と早田課長を交互に見る。


「インフラチームには朱宮さんが必要だからね。易々と異動させるわけにはいかないですよ。」


「はい、わかりました。」


これは思わぬ抜擢だ。

突然呼ばれて何事かと驚いたしまだ少し緊張しているけれど、話の内容からするに、頼られているんだ評価されているんだと思うと嬉しく思う。心が弾むと共に、これからも頑張らねばと気合いを入れた。

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