第7話「無視する女」
筆者は多店舗で勤務しているのはご存じの通り。A店舗で深夜0~5時まで働き、B店舗に向かう。テクテク歩くこと30分。B店舗に着いたら午前5時30分ぐらいだが、そこから8時まで勤務する。何故この時間なのか? 元々B店舗にいる先輩が他の店舗の開店準備をしにいくためである(ふつうは朝勤務の子がすればいいのだが、遅刻癖が多いので先輩が行くそうだ)
そこにいつもよく話す女子がいる。彼女はバイトではなく、一時的にいる派遣だ。しかし、その日は挨拶しても無視され、試しに「今日忙しかった?」と声をかけても「いいえ」とめんどくさそうに言われ、終始無視モード。
LINEでこっそり先輩に聞いてみると、どうやら先週、筆者がおにぎりの並べ方などが間違っている等々と指摘したのが気に食わないらしい。え、そんなことで無視? 指摘と言っても、怒ってなどいない。言葉遣いも優しくした。第一、まだ他にも言いたいことが沢山あるというのに2つに絞ったんだが。
だが、彼女の怒りは相当なようで、客が込んでいる時しかレジに入らず、それ以外はずっと棚掃除をしていた。いつもは携帯を炊事場近くのスペースに置くが、筆者の携帯の置く場所も同じなので、被るのが嫌なのか、ひったくるように自分の携帯を手に取り、ポケットに入れる。棚掃除は延々と続き、たまに床掃除。雨でもないのに水取モップ使っても意味ないんだがな……。
筆者はもう声をかけず、客が少ないタイミングでゴミ出しやレジ点検を行い、仲の良い客とにこやかに軽く話し、勤務を終えた。制服を戻しにバックルームに来ると彼女も当然いる。この時も当然、会話なし。筆者からも声をかけず、スマホを見て無視した。彼女は帰りの挨拶も勿論せず、そのまま黙って帰って行った。
このことを朝勤の仲の良い女子に話す。どうすればいいか聞いたところ、ちょっと驚いた様子で、声かけても無駄そうだし、放っておくしかないのではとのことだった。
指摘しただけで無視って……やれやれだ。良く思う事だが今時の若い子はメンタルが非常に弱い。筆者なんか怒られることもダメ出しもいっぱいあるんだが。何なら仕事終わって気を抜いた後、LINEで店長からダメ出しが来て凹む時もあるんだが。かなりダメージ来るんだけどね。
彼女は就活しているらしいが、受かったとしてどう働いていくんだろうか? 間違いの指摘や怒られることなんて腐るほどある。そんな我が強くて社会で働いていけるんだろうか? 毎回、何の間違いもなく働けるわけなんてないし、注意も怒られることも今以上にたくさんある。間違えているところを注意せずにスルーする方が正解だったのか? いや、そんな訳はない。お金を貰う以上、働くのは当然だ。間違いを指摘するのは何ら普通のことである。でないと、こっちに負担がかかってしまう。彼女はストレス貯め込むだけで意味がないことしてるなぁ……と筆者は思った。美容にも悪そうだ。
筆者は姐さんとの仕事でストレスに慣れたせいか、こんなの屁でもない。大体2時間だけだし、週1回だし、無視したければ無視すればいいのだ。それでも筆者が嫌ならさっさと辞めて別の派遣先を探せばいいのである。
姐さんとの話はまだ別の機会に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます