第5話

 狐の幽霊が出るようになって。


 それを官邸が把握し、対策のために地球を破壊できる規模の中性子弾頭開発を教授に依頼。


 同時に、手頃な狸を誘き寄せて、俺に会わせて仲良くさせて。


 そして、中性子弾頭が出来上がった頃合いで、狸をさらって狐に食わせる。


 そして怒り狂った俺が中性子弾頭を使って狐を殺せば、すべてうまくいく。


 おそらく、そういう筋書きなのだろう。


「どこを向いても、悪意しかねえな」


 ぐちゃぐちゃになっていた、真朱の死骸。


 それだけが、思い起こされる。


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