S4 夜道を激走するトップギア 12月12日
――照葉市 寂れた雑貨ビル1F:星を見る――
衣笠「ま、私にかかればこんなもんよね」
▶衣笠は満足そうにホログラムを動かしています。飛び出るような映像にはVtuberがぴょんぴょん跳ねていますね
七歌「あっ。それってヒナちゃんですよね?マッハパンチ先輩、そういうの好きなイメージないのにヒナちゃんだけ好きですよね」
葦名「わたくしの配信にもいてほしいですわ。Vtuberの方々を見ていて時々思いますの。『あぁ……わたくしの挙動と同じ動作をするキャラクターがいればもっと面白くなるのに……』と。一度、そのことを配信で言ったらたまたま見に来てた知り合いのお嬢様に『あなたの顔芸はあなただけのものですわよ』って言われて顔芸じゃねーんですわよってロストおハーブでしたわ」
恋塚「こーんにちーわー?」
衣笠「あっそうそう、あなたの売られ先が見つかったんだけど売られる気ない?」
恋塚「ぴぎ……あァ?アタシを売ろうってかァ?」
衣笠「こないだDiscordで面白そうなチャンネルあったから入ってみたんだけど、そこの夢の木陰っていうHNの人がね一億で身請けしてくれるって!」
恋塚「ケッ、アタシを買いたきゃ千億持って来いって言っとけ」
衣笠「はーい。残念」
樟穫「うう……さむい……。すみません、なにか温まるものください……」
平「オッスオッス!あや?今日はえーみ来てねーのか!おっ!きぬぴーなんだそれ!未来的なもんあるじゃーん!」
七歌「ブレンドしかないよー。そうそう、最近珍走団の方々が幅きかせててうるさいのよね。日課のネトゲの回線悪くなるからやめてほしいんだけどな」
恋塚「ぷるぷる……ワタシ達でちんそーだん懲らしめま?」
衣笠「これは私の趣味よ。さて、お呼び出しかけますか。ついでに千億ならいいよって送っとくわね」
――30分後
衣笠「金で払えるならいくらでも出すらしいけど……売られる?」
恋塚「頭おかしいんじゃねーのかそいつ……。そこまで行くとアタシも流石に恐怖を感じるぞ……」
平「おー!すげーないっち!突然億万長者じゃねぇか!」
葉生「こーんちはっす。また売られる人がでるんすか」
樟穫「あ、葉生ちゃん……。やっぱり先にここに来て待ち伏せしてれば……えへへ……」
恋塚「そもそもアタシの自由を買われてたまるか!…………ワタシも売られるのは嫌ですのでー……」
七歌「流石にもやしの私だと、毎日毎日回線をptptにしてくる珍走団の方々はボコれないので、する原因ごと取り除く方向で考えました!名付けて!!死のデッドヒートランキングで湾岸をミッドナイトしてワイルドスピードしちゃおう作戦です!!」
国見「や、やった……今日はついにたどり着けたぞ!お邪魔しまーす!コーヒーくださいな」
衣笠「はいいらっしゃい。今から通称頭文字Nするらしいから1名様ごあんなーい」
七歌「溜まり場にされてる場所にセカイがあるはずです!行きましょう!!!」
――照葉市 空き家――
▶空き家があった場所が微妙に解体され、空き地のようになっていますね。そこに大量のタイヤ痕があり、青い裂け目も見えます
七歌「ここです!!やっぱりありましたね!!!私、レースゲームは自信あるんですよ!A級ライセンス取れなかったんですけど、友達の間だと負けなしです!!」
平「これかー!わかりやすくていいな!」
葦名「珍走団の方々ってもしかして、そのまま突っ込んだんですの?向こうの世界でいつしか見たアニメの、首なしライダーとかになっていませんわよね?」
恋塚「ここへダイビング・トゥ・ベイルファイアでー?」
衣笠「いえ、こういうのは大概、理想の置き換えを行って現実で行動してるらしいのよね。珍走団の方々の拠点にあるってことは、このセカイは彼らの理想が詰まってるタイプね」
七歌「あの方々の理想や夢を打ち壊してやればそもそも走る理由もなくなるってことです!!!ミニターボキメまくりますよ!!!!」
衣笠「――ごめんね。騒音でこの子寝てなくってテンションがおかしくなっちゃってるのよ。次あったときには小動物になってるから許してあげて」
葦名「なるほど。全員内に秘めた次期リーダー欲がにじみ出て『俺がこの組の直線番長!!!』って思いで勝手に争ってる可能性も微レ存ってことですわね」
恋塚「あー、落ち着きさんが家出してま?」
樟穫「不眠は……つらいですよね……。私も前になったことがあるからわかります……」
葉生「案外今の方が丁度いいんじゃない?」
平「人様に迷惑かけることはやめさせないとな!とにかくだ!」
七歌「じゃあ行きますよ!!私のマッドスペシャルでスピンコブラが火を噴きますよ!!!!!」
▶意気揚々とセカイへ入っていきました
平「ななっち入っちゃったし、いこーぜ」
葦名「いい場所(珍走団の真上)に落ちてその乗り物、奪い取ってやりますわ」
――大黒PAっぽい場所――
▶中に入ると深夜の高速っぽい場所のようですね。周りは暗いですが、車のハイビームで囲まれており一応の視界は確保されています。君たちの目の前には改造車が4台あり、どれも改造の影響か、広さ的に3人しか乗れなさそうです
▶No1:エンジンだけ無駄に改造したぶっ放しキャンピングカー!車内をほとんどをエンジンルームに改造して、色々犠牲にしてぶっ放すマシンだ!
▶No2:やたら装飾がゴテゴテしたトラック!ガトリングが備え付けられてていつでも打ち込みまくれるぞ!
▶No3:どう見ても普通のハイエース!何故か車内には大量に手榴弾が入っていて投げ放題だぞ!!更に何故か200km出る改造がされてるっぽいぞ!
▶No4:防弾がやたらしっかりした黒い車だ!高そうな代わりに特に殴れそうな武装も見当たらないぞ!高いだけあって色々性能も良さそうだ!
葦名「あっ……まっぶしっ……。目やられた……」
恋塚「はーん、面白そうじゃねェか!」
七歌「これに乗り込めばいいんですね!!私、初めて運転します!!!!」
▶そう言って、何故か鍵のかかっていなかった黒い車に勝手に乗り込み、アクセル全開でどっかに行ってしまいました
平「……行っちまった。俺らもこの……、なんていうか個性的な車から選んで追いかけろってことか?」
恋塚「一人で乗ってったが、アイツうっかりぶっ放してぶっ倒れて事故ったりしねーよな……?」
国見「今日の世界も凄いんだね。やっぱり踏み出してみるもんだし、俺も頑張らないと」
葉生「というかこの中に何人運転できるのがいるの。私は無理だけど」
恋塚「手荒で良いならアタシが運転してやるよ」
樟穫 「物騒だなぁ……」
葦名「手榴弾……、いいですわねぇ……。叔父が地下に大量に保管しててうっかり起爆してしまった時の、庭から見た盛大な花火は素敵でしたわぁ……」
平「お前は一体どこの国からやってきたんだ……?」
恋塚「庭でパイナップルでも育ててたんだろ?」
葦名「恋塚様もパイナップルに美学を感じまして?では、運転はお任せいたしますわ」
恋塚「まあ乗るのはこっちのド派手な方だけどなァ」
葦名「残念ですわ……。パイナップルの美学を共有できたと思いましたのに……」
樟穫「私は運転もできないし……、武器?とかの使い方もわからないから……後ろに乗って見てるだけ……。――ダメ?ひぃん……」
▶そう言うと恋塚はデコトラに乗り込みます。葉生は気づけば助手席に乗ってますね
葉生「私も手伝うよ。しかし派手ってかゴツいなこのトラック……」
恋塚「ヒーハハァ!免許はねーがこのくらい運転するなら問題ねーなァ!」
樟穫「じゃあ……私は葉生ちゃんの乗る方に一緒に……」
恋塚 「ヒーハハァ!安全の保証はできねーからしっかり掴まってろよォッ!」
▶デコトラが急旋回して発進します
国見「それじゃ俺はハイエースの方にお邪魔させてもらうよ。ガンガンドンドン行こう!」
平「よろしくな!えーっと」
国見「ああ、自己紹介まだだったね!国見陸斗、よろしくね!」
平「おう!おれ平!よろしくな!リック!」
葦名「葦名弥子ですわ。万が一の時のために、懐にしゅ……パイナップル入れておいた方がいいですわよ」
国見 「起きて欲しくはないけど、そうだね。ありがとう」
平「そんじゃ追い付くぞ!発進!」
▶ハイエースに乗り込んで手榴弾を構えます
――
▶2組が車に乗り込み、不自然なくらい他の車がいない高速を走っていると、後ろから拡声器で声が聞こえてきます
拡声器「おうおうおう!!!!!何前走ってんだワレェ!!死に晒せィィィィ!!!!」
▶窓からヒトガタのような影が身体を乗り出して拳銃を後ろの車両からぶっ放して来ます
葉生「うわ、うちんとこの深夜テンションより楽しそうな連中きたじゃん」
恋塚「アタシのシマってわけじゃねーが、売られた喧嘩は買ってやらねーとなァ!」
▶デコトラ(恋塚樟穫葉生)運転判定 快晴 ガトリング
成功 40ダメージ
▶拳銃ミラ 運転判定 拳銃(3d6×2)ハイエース
成功 5ダメージ 15ダメージ
恋塚「危ねーにも程があるじゃねーか!ヒハハハハァ!」
平 「撃ってきやがったぞ!こちとら爆発物満載だっつの!」
▶ハイエース(平国見葦名) 運転判定 残像 手榴弾
失敗 19ダメージ
▶手榴弾でタイヤがスリップし、そのままガードレールに突っ込み燃えながら落ちていきました
葦名「爆発を背景に疾走するハイエース。映えますわよ……」
国見「……これ、結構面倒かもね。――運転代わるよ」
拡声器「おうおうおう!!!!!!!!!!よくもワイらの舎弟をやってくれたのぅ!!!!落とし前どうつけさせるつもりや!!!!」
▶暫しの間ゆったり並走していると、後方から窓に身体を乗り出してマシンガンを打ち込んでくるワゴンRが走ってきます
平「ポ」
『助かったぜ、ちょうどペダルに足が届かなくなったところだ』
国見「……あれ!?鳩!?」
恋塚「ケッ、ちまちまと面倒臭え!こうなったらアタシがぶっ飛ばしてやるよ!どっちか運転変われ!」
▶マシンガンワゴンR 運転判定 マシンガン(物理必中3D7×3)デコトラ
成功 16ダメージ 14ダメージ 14ダメージ
▶ハイエース(国見平葦名)運転判定 剛招ビート 手榴弾 手榴弾
クリティカル 29ダメージ 23ダメージ
▶デコトラ(葉生恋塚樟穫)運転判定
通常攻撃[足刀蹴り×3、砂錫×3、細流×3、闃然×3]
通常攻撃[足刀蹴り×3、砂錫×3、闃然×3]
成功 19ダメージ[追撃]12ダメージ 10ダメージ
成功 25ダメージ[追撃]10ダメージ 10ダメージ
国見「いっくぞー!全速力だ!」
▶葉生に運転を押し付け、ワゴンRに飛び移って天板をぶち抜いてジャンプしてまた戻ります。爆散しますね
葉生「無理っつったじゃん!!」
恋塚「ヒーハハァ!燃えろ!虫ケラァッ!」
拡声器「おうおうおう!!!!!!!!!!よくもやってくれたな!!!!!ワイらのロケランで一網打尽じゃああ!!!!!」
拡声器「眩しいんじゃ!!!!あのリムジンしばいたろか!!!!」
▶更に後方から軽トラの荷台にロケランを構えたヒトガタがいる車が近づいてきます。前方からも車のコントロールを失ったミラがスリップしながら拳銃で打ち込んできますね
▶拳銃ミラ 運転判定 拳銃(3d6×2)ハイエース
失敗 12ダメージ 10ダメージ
▶拳銃ミラ 運転判定
失敗
▶ロケラン軽トラ 運転判定 ロケラン(物理必中8d9)デコトラ
失敗 43ダメージ
▶デコトラ 運転判定 ガトリング
通常攻撃[足刀蹴り×3]
通常攻撃[足刀蹴り]
成功 56ダメージ
成功 26ダメージ[追撃]2ダメージ 9ダメージ
成功 41ダメージ[追撃]7ダメージ 9ダメージ
▶ガトリングで軽トラが全損し、ロケランが誤爆して爆散します。また、エンジンが斬られたことで走りながら炎上して爆発して止まります
恋塚「死ねッ!虫ケラァッ!」
樟穫「あわわぅわわわぅ……反動の振動がわわわ……」
▶ハイエース 運転判定 剛招ビート 手榴弾 手榴弾
失敗 28ダメージ 27ダメージ
▶手榴弾の爆風で後ろに吹き飛ばし、高速の外に投げ出しました。そうしていると、地響きのような音が鳴り響きます。ダンプカーのようですね
拡声器「おどれら全員轢き潰しちゃるからな!!覚悟しい!!」
国見「さ、流石にしんどい……ごめんどっちか代われない?」
平「ホルルゥ……」
『すまねぇリック!足が届かねぇんだ!アッシーナ!頼むぞ!』
葦名「ダンプカーですの?これなら的が大きいですから大したテクニックも必要なさそうですわね。敷地内で運転した程度ですけど、久々に運転したくなりましたわ。変わってくださいます?」
国見「助かるよ、よろしく!」
葦名「任せなさいなってこれミッションですの!?」
恋塚 「破壊しがいのあるデカブツが来たじゃねーか……トドメは任せときなァ!」
▶ハイエース 運転判定 剛招ビート 手榴弾 手榴弾
失敗 25ダメージ 25ダメージ
葦名「これお父様がやってるの見たことありますわ。5が一番速いんですのよね?」
国見「ありったけ投げちゃえ、それ!」
平「ポホーッホーホホッホーポホーホッホッホホーポホ」
『そらそらぁ!』
▶デコトラ 運転判定 小型ボム 通常攻撃 通常攻撃
失敗 18ダメージ
成功 41ダメージ[追撃]6ダメージ 9ダメージ
成功 41ダメージ[追撃]12ダメージ 6ダメージ
[エクスプロージョン]
114ダメージ
▶体当たりしてきようとしたダンプが手榴弾で怯んだ隙に運転席に乗り込み、真っ黒な影を、ガラスごと縦に真っ二つにして離脱します。制御を失ったダンプカーはガードレールにぶつかり炎上し始めます。
恋塚「ふざけた真似をしたツケをその命で支払う時だッ!」
▶セカイが崩れ始めているのか、前方の高速道路の道がありません。また、瓦礫が降ったり、道が沈んできていますね
恋塚「ヒ、ハハァ……。あークソッ、まだまだ本調子には程遠いか……」
葦名 「ドラテクの見せ所ですわねーーーー!!!」
▶デコトラ 30ダメージ
▶ハイエース 160ダメージ
樟穫「が、瓦礫を……!!ひわわわぅわわわ……!この振動……、なんだかちょっと心地よくなってきたかも……」
葦名「これがドラテクですわあああああ!!!!」
平 「ポルフ」
『かろうじたーーー!!!!』
――照葉市 空き家――
▶超スピードで裂け目に突っ込んだ瞬間、車の存在が保てなくなりすごい勢いで地面に顔から突っ込みます。七歌だけは受け身をとってきれいに着地していますね
七歌「いえい!!!湾岸仏恥義理のナイトハイウェイ!!!!!!」
葦名「わたくし、今の配信終わった次はレースゲームもいいかもしれませんわ。ふふ、ふふふふふふふふ……」
平「慣性の法則!!!」
葉生「あっててて……、二度と運転したくないな」
恋塚「ぴぎゅっ!」
樟穫「ひにゃっ!?あぅー、いたい……。あ、は、葉生ちゃん……、大丈夫……?」
七歌「みなさん!!!!!セカイから出るときは受け身取るって教わらなかったんですか!!!!!」
葦名「このちび煽りおる」
(教わるって誰にですの?)
葉生「そらそっちと違って普段必要ないから」
平「普通はさっきまで乗ってた車が消えるなんておもわねえって!」
恋塚「足が動かないのでいたしかたなしかとー」
七歌「私は楽しかったし!これから騒音に悩むこともないので今日はよく寝れると思います!!!!」
平 「ななっち今回なにかしてたの……?」
七歌「爆走ドライビングしながら適度に車を丸いやつ投げて事故らせて高速を破壊してセカイを終わらせました!!!!」
七歌「称えるがいい!!!!」
平 「そっか!人知れず戦ってたんだな!わりぃな見届けてやれなくて!んじゃ帰ろうぜ!」
葉生「元気だなあ……」
葦名「まぁいつもの一人大技放ってぶっ倒れるだけよりよっぽど貢献してますわ。今回は素直に功績をたたえたいと思いますわ」
七歌「先輩の情報も手に入れたし今日は最高ですよ!!!!」
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