EP46.姫と姉妹が仲良くなる
今、涙を流している男はこの俺、
先程、俺と双子の姉、
今回はゲストに、
内容はEP45を見てくれ、結構重いし。
涙を流していて忘れたことを思い出した俺は、立ち上がってキッチンに向かう。
「晩飯用意したから、とってくる」
「ありがとう蓮」
「え?ここは小夜さんのお部屋じゃないの?」
あー…誤魔化してたなそういや。
まあ、もう誤魔化す必要も無いか。
「ここは俺の部屋、一人暮らしをしてるんだ。小夜の部屋は隣」
「お隣同士なの?」
「まあそうだな」
「付き合ってるの?」
「ないわ!」
断じてない、絶対ない。
最近の女子小学生の恋愛脳に頭を抱えたくなっちゃうわっ…
…こほん、ちなみに瑠愛はまだ小学六年生なので、一応こう表現している。
「…なんで凛はそんな目で見てんだ?」
気づけば凛がすごいジト目で俺を見てる。
あれ?俺なんかしたっけ…
「いや〜、まだ付き合ってないのか〜って…あれから三ヶ月も経ったのに?」
「いや、友達だからな?」
「男女の友情は成立しないっていうよ?」
「俺はオスカーの言葉を信じない」
[幸福の〇子]は面白かったと思うけどな?普通に。
さっきから一言も喋ってない小夜もなんか微妙な表情だな…なんかニヤついてる…
「蓮さんから『友達』という言葉を強調されて聞くのは、初めてかもしれませんね」
「うるせえ。飯抜きにされたいのか」
「そう言いつつ、毎日おすそ分けしてくれますよね」
無言を貫く。
なんか小夜最近本当にあれだよな、なんか、うん。
「やっぱり付き合ってるんだよね?兄さんと小夜さん」
「ねえよ!?」
「今はまだ、ですね」
「…なんだ。その言い方は」
「いえ、なんでも」
「ふふ」と含みのあるムカつく笑い方をする小夜を無視して、俺はフライパンに入れたままのハンバーグを皿に盛り付けた。
「ほれ。ハンバーグだ」
「おお…久しぶりに食べるハンバーグ…」
可愛い…じゃなくて、瑠愛がすごく目を輝かせている。
母も料理できないわけじゃないけど、瑠愛好みのハンバーグは俺が作ったやつだからなあ…
「ねえ蓮」
「ん?なんだ凛」
「蓮ってそんなシスコンだっけ?」
「ぶふっ…」
いきなりなんだよ!
てかそれって今言う必要あるか?
「いやだって、瑠愛を見る度にニヤついてるんだもん」
「え?そうなのですか?」
「………ノーコメント」
「…肯定だね」
あーもー聞こえねえ、俺は何も聞こえねえ。
耳を塞ぎつつ控えめに瑠愛を見る。
瑠愛はこちらをじっと見ていた…俺は息を飲む。
「…兄さんって私のこと好きなの?」
「うぐっ…」
「昔っからね〜。あたしもそこそこいい好感度だと思うけど、瑠愛絡んだらテンションの上がり方が桁違いだよね〜」
「ふぐぅっ…」
俺は精神的に倒れた…無言でハンバーグを頬張り続ける。
「ハンバーグのオカワリいっぱいあるからなぁぁぁっ…」
「あ、〇んだ」
「蓮さん!?」
「おお…いっぱい食べる…」
あかん、うちの妹が可愛すぎて倒れてしまう件について。
「それにしても小夜ちゃん、また綺麗になってなぁい?」
「そうですかね?ありがとうございます。凛さんも前よりよっぽど綺麗になっていますよ」
「あらあら、お上手ね〜」
どこの近所よおばさんだようちの姉貴は…
でも、少し気になって凛を見る。
「…まあ、たしかに姉貴また背が伸びてるかもな」
「蓮も伸びてるんじゃない?」
「んー、どうだろうな」
最近測ってないしなあ…今度測ってみるか。
瑠愛は無言でハンバーグを咀嚼し続けている。
その目はやはり輝いている…可愛い。
「美味しい…」
「ありがとよ。いっぱい食えよ」
「うん!」
「………」
「蓮、蓮。また顔緩んでるから」
「蓮さん…」
仕方ないだろ!?だからそんな哀れみの目はやめてくれよ!?お前らに俺の妹の可愛さ分かんのかよ!?
…あ、凛の妹でもあったわ、瑠愛。
そんなギャグ満載な夕飯の場はしばらく続いた。
ちなみに、瑠愛に俺の過去を凛や小夜が全部話したせいで洗いざらい知られていった。
けどよ、正直羞恥エピソードまで語る必要はなかったくないか…?
まあ、瑠愛の方は興味津々で聞いてて、時々笑ったりして、俺の事をちゃんと知ろうとしてくれていた。
これから瑠愛との空白の時間を埋めるのは、案外早くなりそうだなと思った俺である。
しばらくして小夜が帰ると、俺は風呂の準備をしながら尋ねる。
「今日は2人とも泊まるんだよな?」
「そうだね〜…瑠愛、どうやって寝る?」
恐らく三人で寝るか、姉貴と寝るかの選択だと思う。
流石にもうすぐ思春期の女子だし、気を使ってくれているのだろうな。
「兄さんと一緒に寝たいから、三人川の字で寝たい」
「じゃあ瑠愛は真ん中ね?」
「うん!」
ああ、可愛いわ…
その後、さすがに三ヶ月前の騒動の二の舞になることはなく、別々に風呂に入って三人仲良く寝れて、俺は大変満足したのだった。
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