エイチ教授の「照国丸」海外クルーズ日記
駿 銘華
まえがき
この作品は、1933年(昭和8年)12月27日から1935年(昭和10年)5月31日までにかけて、日本郵船の貨客船「照国丸」で神戸〜上海〜香港〜シンガポール〜ペナン〜コロンボ〜アデン〜スエズ〜ポートサイド〜ナポリ〜マルセイユ〜パリ〜ロンドンへ渡り、その後にオランダのユトレヒトと言う街で過ごした私の祖父の日記が元になっています。
祖父は当時、南満洲鉄道株式会社(満鉄)の直属の教育機関であった南満洲工業専門学校で教授をしており、会社から欧米視察を命じられてその旅路についたと言う事です。
総文字数は65万4745文字にも上り、それに加えて約500枚以上にも及ぶ手書きのイラストや色彩画、写真、絵葉書などもあります。
その様子はとても詳細に書かれており、1939年に勃発した第二次世界大戦にまもなく突入する前のヨーロッパの世界観を如実に表現していますので、その当時の歴史に興味をお持ちの方にはご参考になるかも知れません。
今回の執筆にあたり、第一部として原文から1934年2月20日ロンドン到着までの約12万文字の照国丸での渡航記部分を現代風に分かりやすくリライトしてみようと思います。
どうぞ温かく見守ってやって下さいませ。
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