2章 幼く慎ましやかな幻に
1話
お母さんが触れた僕の頬は、たぶん真っ赤になっている。
周りは冷たい雪でいっぱいなのに、見渡せば真っ赤な火があって、見慣れた森がバチバチと音を立てて燃えていく。冷たくて、寒くて真っ赤になっていた僕の頬は、今ではきっと、燃えるように熱いのだろう。
「ごめんね。こんなところに、置いて行ってしまって」
お母さんが僕の赤くなった頬を撫でながら、謝った。悪いことなんて、一つもしてないのに。どうしてお母さんが僕に謝るのか。わからなくて、首を傾げる。
「ごめんなさい……あなたを、産んでしまって」
僕の頬を撫でるお母さんの手が、口元が、目が、全部が震えていた。僕を見上げるお母さんの目に、今にも溢れそうな涙が見えた。
「私の……意地のような、醜い感情で……あなたを、産んでしまって……」
もう立ち上がることもできないお母さんは、膝をつく僕に、手を伸ばすことしかできなくて。
火が回る。雪を溶かしながら、木々を燃やしながら、段々と僕たちにも、痛くて苦しい熱さが近づいてくる。
「あなたを……幸せにできなくて、ごめんなさい……!」
僕よりもずっと苦しいはずなのに。お母さんは、僕に謝ることをやめてくれなくて。
「……大丈夫だよ。お母さん」
だから、僕は嘘をつく。
嘘はいけないことなんだよ、と。教えてもらった言いつけを破って。最後の最後で、お母さんに嘘をつく。
「僕は……これから幸せになってみせるから」
お母さんはもう僕だけしか見えていない。いや、僕のことすら、見えていないかもしれない。周りの状況なんてわからない。前も後ろも、横も上も火に囲まれつつある状況なんて、理解できてない。
だから僕は、嘘をつく。
「幸せになって、みせるから」
「……そう」
僕の嘘に、お母さんは笑って。
「――ごめんねぇ」
最後まで謝って、目を閉じて、動かなくなった。
遠くで、何かが落ちるような音がした。焼けた木の枝が落ちた音がした。
「……生き、なきゃ」
ポツリと、言葉にする。
僕の嘘を、お母さんは信じてくれなかった。謝った。最後に、謝ったんだ。
幸せになってみせるという言葉を聞いて、お母さんは謝った。
暑さでおかしくなりそうな頭を振って、僕は立ち上がる。少しでも火の回りが少ないところに駆け出す覚悟を、震える足に込めようと立ち上がる。
お母さんを安心させるためについた嘘を、お母さんは信じてくれなかった。最後まで謝ったのは、そういうことだ。
僕がこれから幸せになれるわけがないと、諦めて、謝ったんだ。
「生き、なきゃ……!」
この場に残していくお母さんを最後に見て、視界が涙に滲んでいようとも、ちゃんと、見て。
「っ!」
自分でも、無理だろうな、なんて思っても。
僕は、これから幸せになるために、燃え盛る炎へと飛び込んだ。
*
パンツ一丁にも、慣れてきた。
「すぅ……はぁ……」
太陽が燦々と照りつける午後。服すら着ずに日の光を全身に浴びながら、颯太は深く息を吸い、吐き出した。そして、ゆっくりと右手を上げ、掌を前方に向けて目を閉じる。
パンツ一丁である。
敷地内に大きめの立派な庭園がある、高級気味の宿屋の庭にて、パンツ一丁である。
「風よ」
短く、呼びかけるように。自身の内に渦巻く不思議物質、マナを掌の中心から放出するようなイメージを脳内で練り固め、颯太は目を開いた。
肉体から離れたマナは、颯太のイメージ通り、透明な空気の流れとなって前方に収束し――
「弾けろ!」
パンツ一丁の姿から放たれる命令にでも従い、収束した空気が「……ぽん」と弾けた。
「……やっぱ、本調子とは言えないなぁ」
深夜の森の中での攻防から、二週間が経っていた。
アルフレルドが呼んだ治療担当の騎士団員の腕が良かったのか、この世界では通常なのか颯太には判断はつかないが、颯太の脇腹の傷はぴったりと塞がり、無茶な運動をしても開く様子はない。全快、と喜ぶために体の調子を確かめている最中だったが。
「マナの使い過ぎによる、枯渇ねぇ……」
魔法による風の炸裂に、マナを声に変換して周囲に響かせたりと、大盤振る舞いとも言えるほどの魔法の行使の結果によるものらしい。
体内のマナを放出し、様々な物体に変換して扱う便利技術である魔法は、市井ではひどくありふれた存在だ。颯太のように、然したる訓練を積まずとも扱える者もいる。異世界へと単身放り出された当初、何気なく、試しに使ってみたらできてしまった魔法には、これまで随分と助けられた。
だが、今はまともに行使できない。理由はマナの使い過ぎ。体内のマナの枯渇によるものらしい。颯太自身、あまり自覚はないが普段から相当な量のマナを使って魔法を行使してきた、とのことだ。
「まいったなぁ……俺の武器なんて、せいぜいこれぐらいなのに」
今から約一ヶ月と二週間前。現代日本の極々平凡的な男子高校生であった水際颯太は、突然異世界へと放り出された。具体的に言えば、夜に寝て、目を開けてみれば異世界……大国リークテッドと呼ばれる大国家の市場のど真ん中に立っていた。
経緯も理由も全てが説明されないまま異世界へと放り出された。ただそれだけでも状況としては最悪だというのに、それに加え、颯太の姿はこの世界の誰にも視認されることがなかった。
巷ではゴーストと称される姿形が視認できない存在。
災厄の前触れ。悪しき元凶の発端。理からの異端者など。様々な悪評に彩られたゴーストは、視認されなくとも、一度感知されれば通りから人が全て逃げ出してしまうほど、恐れられた存在だった。
颯太の体、着ている服、流れる血液、それら全てがこの世界の誰からも視認されない。颯太がこの世界の住人の前に立ち、どれだけ縦横無尽に動き回ってみても見向きもされない。
説明もない、助けてくれる相手もないないない尽くしの一ヶ月を過ごした末。
ただ一人だけが、颯太を見つけてくれた。
「……見慣れてきた。って思ってもいいのかしら。男の子がパンツ一枚で宿の庭に立ってる光景って」
颯太と同じ、黒い瞳を持つ少女。この大国リークテッドの第一王女……だった、クインが額に手を当てながら悩んでいた。
クインセル・フィン・リークテッド。王国と同じ名を持つこの少女は、紛れもなく王族の血を引く王女だ。だが、肝心の王とは血が繋がっていない。
十六年前に突如現れ、この国の王妃を襲い消え去った。颯太とは別のゴーストの誰も望まない置き土産が、この黒髪の少女だ。
ゴーストとの血の繋がりがあるためか。はたまた、また別の要因によるものなのか。
「まぁ、見慣れてもらわなくてもいいかな。それで、どうだった?」
クインは颯太にとって、現状ただ一人の自分を視認できる存在だった。
目立つ黒髪と黒い瞳を隠すために、クインは顔をすっぽり覆い隠せるほどの黒いローブを身にまとっていた。そして手には、クイン以外には視認することができない、颯太が身に着けていたパーカーとズボン。そしてスニーカーを持っていた。
「立派なパレードだったわ。あんなに笑ってる二人を見たのなんて、初めてだったかも」
両親の笑顔を見たのが初めてだと、そんな悲しい事実をクインは笑いながら口にする。
今日、街では国を挙げて大規模な祭りが開催されていた。国民が待ち侘びていた、国王の世継ぎとなる、第一子の誕生を祝うパレードの参列者に紛れるには、黒いローブは目立ち過ぎた。そのため、他者から視認できない颯太の服を頭から被り、人知れずパレードを覗き見しに行っていたのだ。
当然、その間の颯太はパンツ一丁である。比較的温暖な気候の国だから、クインからの視線に慣れてしまえばどうということはない。慣れるのもどうかとは思うが。
クインから自分の服を受け取り、着替えながら颯太が口を開く。
「そっか……でも、本当にいいの? 一言ぐらい挨拶していけば……」
「いいのよ。今更出て行っても迷惑になっちゃうだろうし。遠くからでも姿が見れただけで満足だから。というより、いきなりパレード中に私が姿を現したらみんなびっくりしちゃうわ」
それもそうか、と颯太は納得し、それ以上言及することはなかった。当人が良いと言うのならば、野暮というものだろう。
「それで、体の調子はどう?」
颯太の顔を覗き込み、刺された脇腹に触れてくるクイン。距離近い距離近いと、颯太は不自然にならないよう苦笑いを浮かべながら後ろに下がった。
「傷はもう痛みはないし、絶好調だよ。魔法がうまく使えないだけで、他は問題なし」
「そう、それなら良かった」
大怪我をしてまで命を賭して自分を守ってくれた存在に対し、クインは心底安心したかのように息を吐いて笑った。
彼女のその笑顔を見て、二度とはしたくない経験ではあるが、刃の前に身を差し出したことに後悔は全くないことを颯太は再認識した。
「さて、それじゃあ」
クインから返してもらった服に着替え、パンツ一丁から脱却した颯太は腰に手を当てながら。
「旅の準備を始めますか!」
クイン以外には聞こえなくても、世界に宣言するように大声を出した。
*
そもそも。二人には知識と経験が足りなった。
片や、旅などには出たことはなく、精々小学校の頃の林間学校の時にテントを張って寝た経験が、せめてもの旅の記憶でしかない。片や、言わずもがな。城から出て生活した経験など、この二週間だけだ。
旅というのは、決して簡単なものではない。ここは剣と魔法があり、危険な動植物が蔓延る異世界なのだ。日本の整備された道を歩き回るとはわけが違う。王国の敷地、高く聳え立つ防壁から外に出れば、辺りはただ広大な草原に、鬱蒼と茂る深い森。その他様々な自然が行く手を阻むだろう。
それだけではない。この世界には、人を積極的に襲う魔物の存在だってある。
圧倒的経験不足の二人だから、そもそも『自分たちだけで旅をするというのは確実に無謀』というのは、自ずと理解できていた。
ならばどうするか。単純な話である。
旅の経験がある者を連れて行けばいい。
「とはいえ、奴隷かぁ……」
颯太が一人で彷徨った一ヶ月間。その間に見つけ、二度と近寄ることはあるまいと思っていた奴隷市場へと向かっている最中、颯太が顎に手を当てながら呟いた。
奴隷市場は、通常の市場から距離を置いた位置に建てられていた。骨組みに布を被せたような様相をしていて、傍から見る分にはサーカスのテントにしか見えない。
だが、その中で行われているのは颯太には全く馴染みのない、人身の売買だ。檻に入れられた同じ人間、中には獣人や、まるっきり獣にしか見えない者もいたりするが、どちらにせよ通常の現代日本の感性を持った人間である颯太には受け入れがたい光景ではあった。
「颯太の世界では、奴隷っていなかったの?」
人通りが少ないため、クインも声を多少小さくするだけで普通に颯太に話しかけた。ローブで顔を覆えば、傍から見る限り見えない何者かと話をしているようには見えない。
「昔はいたらしいけどね。過酷な環境で働かされたり……まぁ、何かと良いイメージはないよ」
「私も見るのは初めてだけど……奴隷制度はずっと昔からある制度なのよ。罪を犯した人は、その罪に応じての刑期、奴隷を命ぜられて、購入者の労働力となる。もちろん、あまりにも非人道的な扱いは許されていないわ。不必要に奴隷を傷つけたりすることは禁じられているし、決められた期間をしっかり奴隷として過ごせば、罪は許されるのだもの。あまり制度として問題になったって話は聞かないわ」
話を聞く限り、日本でいう懲役に近いものだと颯太は判断した。違うのは、刑務所に入れられて働かされるか、奴隷として働かされるかだ。
購入者の思惑次第では、刑としては重かったり軽かったりと、中々に運の要素が強い。単純な労働力として奴隷を求める場合もあれば、颯太たちのように旅での小間使いを求める場合もあるという。
「それに、私たちはただ旅の手伝いをして欲しいだけなのだもの。傷つけるつもりなんて更々ないし、旅の勝手さえわかればすぐに解放してあげたっていいぐらいだもの」
旅の手伝いとして奴隷を買おう、と言い出したのはクインからだった。颯太からしたらそんな言葉がクインから飛び出してくることに心臓がキュッとなるような寒気を感じたが、産まれた時から奴隷という制度が当たり前なクインと、そうではない颯太の間には決して埋まらない認識の違いがある。
「……暴れたりしないの?」
「奴隷には、行動を制限する魔導具が付けられてるの。購入者の意に沿わない行動をしたら、その魔導具が奴隷からマナを吸引して、動けなくするっていうすごい道具がね。考案したのはずっと前の王らしいけれど、それをお父様は改良を重ねて、今では全ての奴隷に取り付けられているのよ」
文字通り、父親を自慢する子どものような笑みを浮かべ、クインが熱弁する。腰に手を当てて得意げな顔をするクインは、見ていて大層微笑ましいが、あまり目立つ行動は取らないで欲しいのが颯太の本音だった。
「すげぇな異世界の技術……そんなものでもない限り、奴隷制度なんて安定しないか」
「でもね、問題は……」
「ああ……俺が見えないってことでしょ?」
奴隷という三人目の旅の道連れがいる以上、颯太の姿を視認できないのは随分とやりづらい。ゴーストという存在を恐れているのは奴隷だろうがなんだろうが変わりはなく、それと旅するなどまともな旅路にならないのが容易に想像できた。
「奴隷なんだし……多少押さえつけて旅を強行するぐらいできるかもしれないけど。なんかそれ、落ち着かないな」
「うん……」
「でも、仕方ないよなぁ」
二人してため息を吐く。根が善良過ぎる二人だからこその悩みを抱えながら歩き、二人は目的地である奴隷市場へと着いた。
低く連なるテントの中には、ペットショップさながらに奴隷が陳列されていた。人間、獣人、そして獣人と人間の混血である亜人など、様々な人種が檻の中でへたり込んだり、鉄格子に掴みかかり自分たちを買おうとする者たちに向けて声を上げている。罵倒だったり、自分の売り文句だったりと、一口に奴隷と言っても購入者に対する対応は様々だ。
「……想像してたよりも、ちょっと、きついかも」
「……そうだね」
不潔、と称するまではいかないにせよ、テントの中は不衛生な、饐えたような匂いが立ち込めている。獣臭さや何やらで充満した空間は、二人を一瞬で辟易させた。
「でも、うん……怖気づいてなんていられないもんね」
ローブを深く被り直し、クインは歩き出す。どの道、颯太という世間では恐怖の対象でしかないゴーストと旅を共にする以上、冒険者などの真っ当な職種の人間を雇うわけにはいかないのだ。恐怖を制度で捻じ伏せられる、奴隷でなければ颯太と旅はできない。
おそらく、受付なのだろう、テントの入り口傍に置かれた机の後ろに立つ……見た目だけなら奴隷の商人には見えない、フォーマルな服装に身を包んだ男の傍に向かう。当然、颯太の姿は見えないので、受付の男の視線は、不自然に深いローブで顔を隠した小柄な人物、クインへと向けられた。
「用件は」
「奴隷を買いたいの。予算は、これで」
颯太自身、奴隷の相場というのはわからないが、これまで颯太が隠れてくすねてきた金額では真っ当な奴隷を買うには足りないことはわかっていた。
二週間前、アルフレルドが遣わした治療師が決して少なくない金額の硬貨が詰まった袋をクインに渡していた。おそらく、手切れ金としての意味も含んでいるお金は、二人が旅をするためには充分過ぎるほどの金額であり、その金額を見たクインが「そこまでして本気で遠ざけるつもりなのね……」と若干落ち込んでいたのも記憶に新しい。
とにかく、出所が悲しいお金は奴隷を一人購入するには充分すぎる金額であり、受付の男は目を見開いた。
「どのような奴隷をお求めですか」
「旅の経験がある者がいいわ。性別も、年も問わない。あと、健康であれば」
「少々お待ちを」
クインの注文を聞き、受付の男はテントの奥へと歩いて行った。
「……そんなお金おっぴろげにして、騙されたりしない?」
あまり目立たないよう、内緒話をするようにクインに顔を近づけて颯太が聞く。
「大丈夫よ。見た目は……思ってたよりも、悪辣だけど。一応国が運営する機関なのだもの。不正は働かないはずよ」
颯太としては「そういう所こそ内部腐敗が進んでそうだけどな……」という身も蓋もない意見が喉から出かかっていたが、クインの心情を慮り、口には出さなかった。縁を切られたとはいえ、肉親がトップに立つ機関を悪く言われるのは好ましくないだろう。
「しっかしまあ……本当に色々な奴隷がいるんだな」
人間、獣人、亜人。性別も年もバラバラだ。これらが全員、犯罪に手を染めて捕まったのかと思うと、案外この国の根っこにある闇は深そうにも思える。年端もいかぬ子どもの姿があまり見当たらないのだけが、せめてもの救いだろうか。
「というより、明らかに人間じゃないのも交じってるよね……ちょっと、見て回ってくる」
「気をつけてね」
クインが心配してくれるが、颯太としては何をどう気をつければいいのかわからない。
「まぁ、どうせ俺は見えないし。大丈夫だよ」
檻の前まで進もうと、誰一人として颯太に視線を向ける者はいない。
受付の男が戻るまでの間。二度とは来ることはないであろう場所を見ておこうと、颯太がテントの奥へと進んでいく。
「……あれが、魔物ってやつか」
人種が並べられた区画とは離れた位置。隠されるように置かれた檻の中に、真っ黒な四足歩行の獣の姿があった。
自身の持つマナが過剰になり、突然変異した個体と言われている魔物は、その生まれ方ゆえ数はそう多くはないが、未開拓の地や自然の中に人知れず存在している。通常の動植物よりも強靭な肉体や身体機能を持つ魔物は人々から恐れられると同時に、貴重な資源として活躍が期待されていた。この獣も、おそらくは研究などを目的として、街の狩猟者が捕らえて寄付した個体なのだろう。
真っ黒な毛並みに、立ち上がれば颯太を優に越して余りあるほどに巨大な体躯。四肢の先にある爪は鋭く尖り、口元から除く牙は見ているだけで恐ろしい。どうにか颯太の知る動物に例えようとすれば、虎のような骨格を持った熊、とでも言えばいいだろうか。檻の中に入っているから平常心を保てているが、これが外に出ていたら一瞬で噛まれて死ぬ自信しかない。
血走った両目に見られているだけで、例え檻を越えて襲われることはなかろうとも怖いものは怖い――
「……ん?」
更に檻に近づこうとしていた颯太の足が止まる。
「………………んん?」
魔物が唸り声を上げる。傍から見れば当然、何の前触れもなく魔物が興奮し出したようにしか見えない。
が、違う。それは違うのだ。
「……もしかして、見えてる?」
颯太の質問に、魔物が唸り声を上げて答えた。
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