❛表面❜

放課後、スケッチブックにデザインを引っ掻き回す。部活は、運動部とももちろん迷ったが、体育会系の人達にかなり圧倒されてしまい、遠慮することにした。


部活は声出し、挨拶、筋トレが基本・・・・・・なんて解釈違いにも程があった。

廊下を歩くと、ランニングしてる運動部の人に当たってしまいそうになるんだから、気が抜けない物だ。

というか、吾妻くんって何部なんだろ。冷静な感じから運動してる所はあんまり想像できない。「あれ、佐倉氏」考え事?斜め向かいに座っていた真壁さんがこちらを伺ってきた。


──あ、分かっちゃってたか。ぼーっとはしてたけど、表面に出てたとは。

でも、相談とか、そんなことを持ちかけようとは思わない。


一番仲の良いクラスの由梨にも公言してない。夜遅くなっちゃってさ、とさして広がりのないことを言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る