202011 ジャパロボ 45

渋谷かな

第1話 ジャパロボ45

「それでは綾幕僚長から優勝の表彰状の授与を行います。」

 全国ジャパロボ大会は関東ブロック代表チームの優勝となった。さとみたちは表彰状やトロフィーを受け取った。無理が祟った優子は再び病院送りで欠席している。

「おまえたちがキビキビ動かないとお母さんが怒られるんだぞ!?」

 怖い綾幕僚長がきているということで祐奈は眠い目を見開いて起きている。

「それでは優勝しました関東ブロック代表チームには副賞として、公務員である自衛隊に入隊する権利が与えられます。」

「やったー! これで将来の生活は安泰だね! アハッ!」

 さとみは母親の祐奈と同じ就職先を手に入れた。

「それでは最後に優勝チームの願い事が1つだけ何でも叶えることができます。関東ブロック代表チームの願い事は何ですか?」

 司会進行役の麻衣がさとみにマイクを向ける。

「私たちの願い事はたった一つ、麻理子さんを生き返らせてください!」

 さとみたちの願いは死んでしまった麻理子を生き返らせることだった。

「おい!? さとみ!? そんな願い事は無理に決まっているだろうが!? 綾幕僚長を困らせるんじゃない!?」

 必死に娘を説得する母親の祐奈。

「いいよ。」

 しかし、綾幕僚長は気軽にできると言う。

「ええー!? いいんですか!?」

「いいんです。麻理子は強化人間だから、身体データと心とメモリーデータも保存しているからクローンとして復元は可能だ。性格も、そのまんまに復活できるぞ。」

 便利な強化人間。科学技術の進歩した大日本帝国。

「そうだったのか!? 知らなかった!?」

「祐奈。おまえ会議で何を聞いていたんだ? まさか!? おまえ会議中に眠っていやがったな。」

「ギクッ!?」

「裸逆さ吊り世界一周旅行の刑だ!」

「やめて下さい!? 綾教官!? 私には娘がいるんです!?」

「問答無用!」

「ギャアアアアアア!? 助けてー!? 神様!?」

 祐奈の消息は不明になった。

「やったー! また麻理子さんに会える! アハッ!」

「良かったね! さとみちゃん!」

「うん。」

 喜ぶさとみとすずは大の仲良し。

「よし! 明日からもがんばるぞ!」

「おお!」

 こうして全国ジャパロボ大会は無事に幕を閉じた。


 かに見えた。

「戦いはこれからだよ。」

 ここは反大日本帝国同盟ジャパカイダの研究所。リーダの前田みなみがいた。

「強化人間が復元できるのであれば、我々にも強化人間は復元できるということだ。」

 細胞の培養液の中では元東京都知事の大江百合子の肉体が復元されようとしていた。

「それに百合子細胞は世界のブラック・マーケットで高値で売れ幕ぞ。ワッハッハー!」

 戦いは憎しみを生み、復讐の戦いは終わらない。さとみたちとテロリストの戦いは続いていく。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202011 ジャパロボ 45 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る