運命の再会
ハル
第1話 先生と生徒
「えー、今日からこのクラスの担任となりました、管崎(かんざき)先生です」
と、教頭が私を自己紹介した。
「管崎 優佳(かんざき ゆうか)です。宜しくお願いします」
ガラッ
引き戸が開き、遅れてくる男子生徒。
「香崎(こうさき)また、お前は遅刻か?」
と、教頭が遅れて来た生徒に言う。
「学校来て早々、説教? ウッザー!つーかさ来ねーよりマシじゃねーの?」
「説教ではない! 登校時間は守らないといけないだろう?」
「説教と変わんねーだろ!?朝っぱらから説教されると、やる気失せるんですけど~?俺、帰っちゃうよー?」
「来て早々、帰るなんて勿体ない。授業は受けないと」と、私。
「あんた誰?」
私に気付き遅刻してきた男子生徒は尋ねた。
「今日からこのクラスの担任になった管崎よ」
「ふーん……興味ねーし」
「あなたが尋ねたから自己紹介したまでだけど?」
「あっそ」
「ともかく今日からみんな宜しくね!」
「じゃあ管崎先生、後は宜しくお願いします」
そう言うと、教頭は出て行った。
「じゃあ、まず出席とります!」
順調にいったものの遅刻した彼は返事をしようとせず……
「香崎 裕矢(こうさき ゆうや)君」
「………………」
「ねえ、返事しようよ」
「俺って分かってるなら別に返事良くね?」
「あのねー」
「………………」
「出席とるの続けろよ!別に拘んなくても先に進めていかねーと、一時間目始まりますよー。先・生」
「はいはい、分かりました!」
昼休み時間 。
「はあぁぁ……疲れる」
溜め息混じりに口を開く私。
学校の屋上で煙草を吹かす私。
「だったら辞めれば?」
「えっ?」
「俺にも煙草頂戴!」
「駄目よ!未成年……」
そこには遅刻してきた香崎 裕矢の姿があり、スッと私の吸いかけの煙草を奪う。
「あっ!こらっ!人が吸ってた煙草!」
「間接キス!」
「えっ?」
「どうって事ないでしょう?良い大人なんだし。ちなみにあんたいくつ?」
「まだ 22 よ」
「もう 22 の間違いじゃねーの?」
「あのねーっ! 私はまだ若いんですけど?」
「自分の中で、そう思ってるだけだろ?」
「香崎君、あのねー、どうしてそう口減らずなの?」
「まだ、俺の事良く知らないあんたに俺の何が分かんの?」
「ええ、何も分かりませんっ!これからなんだから」
「俺は一生、心開かない!つーか開く気ねーし!」
去り始める香崎君。
「あっ!ちょっと……」
「あんまり俺に深く関わんなよ!干渉されたくないんで」
「香崎君!」
彼は見向きもせず、私が吸っていた煙草を自分の携帯灰皿にしまい屋上を後に去った。
「携帯灰皿って…常習?未成年なのに呆れた」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます