寄生主

晴れ時々雨

🐛

ビショウネンカクシという生物をご存知だろうか。体の側面に美少年が寄生したような容姿をしており、外敵からの攻撃を躱し、尚且つ自分の攻撃を円滑に運ぶという狡猾な生き物のことである。

餌はヒトの淫水を好む。いたいけな少年のオデキに騙された中年の女がよく引っかかるのだが、ビショウネンカクシはそれがいかにも人間らしくて好きだった。

薄暗い夜道、帰りを急ぐ人妻についと近寄り不審がられる前に羽織ものの前をはだける。するとそこにしがみついたような幼く儚げな男児がみえ、少年が瞬きをすれば食べ物を与え体を擦ってやり、いつの間にか宿主の存在も忘れ乳繰り合い始める。無垢な小隠棒を丁寧に剥いて中淫棒あたりまで育てる。手の平やらちちふさやら、さてもは口ビラまで使い、たっぷり時間をかけて一時だけの大人にしてやる。少年のほうも素直に反応を示すので女もやり甲斐を感じるという具合である。

小さな体の下から見上げた少年の瞳が鮮やかな翠色に輝くのをみた女は、穢れを知らぬ者を汚す罪悪感と背徳感を勝手にせめぎ合わせ、これまた勝手に興奮しだす。この時点で滲んでくる淫水の粘度は高いが味わいは浅いので一掬いし、ああこの女は月のモノが近いな、などと思いながら先を促す。

女は着物の裾を捲りあげ、後ろ向きに四つん這いになり少年の腰に自分の腰を落とす。仕方のないことだが、それほど抵抗なく蜜壷の中に没し女が溜め息をつく。ここから宿主であるビショウネンカクシは足を踏ん張って、これからしばらく続く震災に備えるのである。

見た目の清らかさに謀られた女は盛大に喘ぐことになる。少年の体のように見えるが、要は少年全体が宿主の淫棒であり、技術体力も当然宿主のものである。目算を誤った女は少年型の張形でいいように突かれ、自由になっている二本のどちらともつかぬ手であちこちまさぐられ桃源郷の入り口を見るのだった。

女が果てるときの感覚は、生物の生態として知っているのでその瞬間女を抜き本体の腕で持ち上げ頭から淫水の太いしぶきを浴びる。女は地上より遥か高い位置で楽園を眺め下ろすことになる。

今夜の女の味はまあまあだった。実は、筆下ろしではないが、未通女の淫水が一番滋養が高く美味なのでそっちが良かったが贅沢は言うまい。

稀に輩が釣れることもある。そいつらはこっちが異形であろうがお構いなしで、しかもしつこく、夜が明けることもある。だが淫水的にはそう不味くはない。

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寄生主 晴れ時々雨 @rio11ruiagent

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