遠距離恋愛【瞬間移動】

 私は今、この瞬間に電話口の彼の所へ行きたい。

「どうした?」

 急に喋らなくなった私に焦る彼。

「……逢いたいよ」

 息を吸い込む音が聞こえる。

「待ってて」

 そう言った数秒後、玄関のチャイムが鳴る。慌てて外に出る私。

「瞬間移動?」

「いや。向かいながら電話してたんだよ」

 バレたかと思ったと笑う彼。


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