注射がこわい〜診療所にて〜

「今年もやるのか」


往生際の悪い僕に妻は呆れ顔だ。


腕が震えてきた。

昔から僕は注射が苦手だ。


「子どもにそんな情けない姿見せないでよ」


そりゃそうだ。こんな姿を見たら子どもは注射嫌いになってしまう。


「始めるわよ」




僕の目の前の椅子に子どもが腕を出して座った。


「医師《せんせい》お願いします」


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