◆序章:人物紹介


◇主要登場人物


アズルト:

極秘計画リザと関わりのある人造天使。個体識別名ヤークトーナ=クーシラ。リドの固有名を持つ。現在はウォルトラン男爵家の四男アズルト・ベイとして身分を偽り騎士養成学校イファリスに在学。十六歳。リドの戦闘技能は赤位に及ぶが、魔力を筆頭に魔術的に抑制されている。アズルトの基礎能力は候補生全体で中の上ほど。


クレアトゥール:

かたわの獣人の少女。クレアトゥール・サスケントの名は、サスケント寺院のクレアトゥールの意。十五歳。天位に至るほどの騎士の適性を持つが、ヒトとしては壊滅的なまでの社会不適合者。作中では裏ボスとして、プレイヤーの打倒すべき最終目標となっていた。


ロドリック:

ニザ東域守座バルデンリンドの座主。アーベンス王の臣下バルデンリンド公爵ロドリック・オンとして表向きには活動。ムグラノ主教座(ムグラノ地方を管理する教会組織)とは独立した機関であり、その制約を受けない。ムグラノ主教座との関係は決して良好とは言えないが、より上位の権限を持つこともあって騎士養成学校イファリスへの多少の介入は可能である。余談だがバルデンリンド公爵は歴代の当主も含め、閉鎖的な風土も相まりムグラノ貴族から嫌われる傾向にある。


オルウェンキス:

本名はオルウェンキス・オン・ソシアラ。十四歳。騎士貴族血統至上主義を掲げる純血派のお貴族様。三家ある方位守家の東を担うソシアラ侯爵家に連なる者で、爵位継承権を示すオンの名を持ち、順位は父に次ぐ第二位とその権限は大きい。メルフォラーバ帝国に高位貴族の子に爵位を与える法はなく、継承権の有無によってその者の貴族としての扱いを決めていた。アーベンス王国の慣習もその流れを汲むものである。


マフクス:

本名はマフクス・ディア・バッテシュメヘ。二十七歳。予科一年四組の担当教官。粗暴かつ適当な人となりではあるが学園でも屈指の実力者。赤と青の位格を持つ騎士で、黒位への昇格も時間の問題と噂される傑物。なのだが、バルデンリンド領外で名は聞かない。先の任地はニザ瘴土帯の第三層。雷撃系統の魔術を好んで使用する。




◇ゲーム中で活躍のあった人物たち


キャスパー:

気合と勢いが取り柄の暑苦しい少年。十五歳。原作『ムグラノの水紋』におけるいわゆるお助けキャラで、別名バランスブレイカー。作中では黒位とされていたが、用いる技には天位級のもが数多く見られた。アズルトのクレアトゥールとの闘いを称えたのも彼である。


メナ:

本名はメナ・ベイ・ツィベニテア。十五歳。騎士に関して膨大な知識を有しており、作中では騎士について語り出すと止まらないことから騎士オタと称されていた美貌の令嬢。魔術を用いぬ純然たる剣技において天才的な技量を有するほか、魔法によって騎士の戦技を再現するなど、本年の入学者において最も異彩を放っている人物。


ベルナルド:

本名はベルナルド・ドラマルス。十七歳。豪商であるドラマルス商会の子息。騎士養成学校イファリスへの入学まで《ジャナク》魔導学院に在籍しており、三級魔術師の資格を持つ。同学年で彼の胴回りに勝てる者はいない。ただし騎士らしく鍛えてはいるようで筋肉質である。典型的な後衛の術師型騎士で、武術の類は学年の最下位争いに名を連ねる。


ガガジナ:

額から生える二本の角が特徴的な鬼人。十六歳。漢と呼ぶほかない学園でも屈指の巨躯の持ち主。荒々しい外見に反し物静かな性格で理知的。余談だがアーベンス王国はラケル全体を見ても種族間の混血が著しい国家である。アーベンスの主要民族であるところのメルバ・イドラ系が多種族の混血を受容することで形成されたことに起因していて、現在に至るまで異種族間の婚姻に忌避感が薄い。ベルナルドなどは祖父母世代に鬼人の血が混じっており、身体的な形質は表れていないものの半鬼と称することも多い。蛇足だが純血派はメルバ・イドラ系であり、当然のことながら種族間の混血を否定していない。ソシアラ侯爵は半鬼だし、その夫人――オルウェンキスの祖母に当たる人物は半妖(妖精族との混血)である。純血派にとって重要なのは、メルバ・イドラに連なる騎士貴族の血統なのだ。ややこしい。

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