ことのはの海 令和二年度学祭号
國學院大學児童文学会
「世界のみかた」 -ほしかぜみなみ
*
ふたりで
*
ふたりでおやつを食べるなら
スプーンですくってお皿に分ける
一つのアイスを半分ずつ
ふたりで電車に乗るなら
並んだ空席を探して座る
窮屈そうに荷物は膝の上
ふたりで道を歩くなら
食べたいものは話し合い
入りたいお店は見ないふり
ふたりで旅行をするなら
行き先は人気の観光地
温泉つきのきれいなホテル
ふたりで過ごす夜なら
一杯目はとりあえずビール
明日に備えて早めに解散しよう
ふたりならいつでも無難に半分こ
相手を気遣えばできないこともある
そんな気がする
*
それならひとりで
*
ひとりでおやつを食べるなら
大好きなバニラをゆっくりと
溶けないように味わうの
ひとりで電車に乗るなら
大きな荷物は隣の席
窓の大きな海を独り占め
ひとりで道を歩くなら
ご飯も忘れてぶらぶらり
地図も見ないで出会う店にふらり
ひとりで旅行をするなら
行き当たりばったり、のんびり旅
たくさん歩いて、たくさん休んで
ひとりで過ごす夜なら
甘いお酒に、好きなおつまみ
ほろ酔い気分で明日を待つ
ひとりだからいつも自由
全部私の思い通り
そんな気がする
*
ではあなたとふたりなら
*
あなたとおやつを食べるなら
私はアイスで、あなたはケーキ
半分あげるから、半分ちょうだい
あなたと電車に乗るなら
肩にもたれて、夢うつつ
降りるときには起こしてくれるから
あなたと道を歩くなら
ひっそり裏道を冒険
行ってみたかったけど怖かったの
あなたと旅行をするなら
お城の前で写真を撮り合いっこ
あなたの喜ぶ景色も探してあげる
あなたと過ごす夜なら
今日の疲れも癒されて
もらう言葉は明日へのエネルギー
あなたとふたりだから
見えなかった可能性が見える
できないこともできる気がする
そんな気がする
*
見方を変えれば世界が変わる
自由も可能性も自分の中に
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