1-2
木村はガラス瓶に入った角砂糖をティーに2つ入れてマドラーでかき混ぜる。
無言のままだ。 宮田はやる気になった木村を見て、話をふる。
「あなたはどういったご依頼でしょうか?」
女性は向かいの席の黒い革のソファーに座った。
「あなたがたには事件を解決してもらいたのです。」
「分からないですね。 事件の解決なら、警察に頼めばいい。」
宮田は心の中でため息をつく。
やる気になったのかやる気じゃないかの分からない。 木村の疑問は確かにうなずける部分がある。
「それは…」と女性は口を閉じた。
「それではあなたを見てどういう人か当てましょう。」
木村はマドラーを置き、口を開く。
「えぇ、どうぞ…」と女性は困惑して答えた。
「あなたはまず、ドアノブに手をかけ迷った。 依頼するべきか内で解決するべきか。 その間、4、5秒くらいでしょう。 答えは決まった。 扉を開ける。 そこで探偵では助手の宮田に訊いた。 あなたが探偵か?っとね。 いいや、違うとあなたは分かっている。 あなたはわかるはずだ。 賢いからね、オレということは扉を開けてから分かっていたはずだ。 続けても?」
「どうぞ。」
「黒いスーツ姿。 あなたは脈々が荒れていない。 首筋にうっすら汗をかいている。 緊張からだろう。 スーツは高め。 化粧でごまかしているが、最近大泣きしたようだ。 そのせいで目元が少しのりが悪いようだ。 勘違いしないでください。 オレは女装癖なんかありません。 さて、戻そう。 靴は新品同様によく磨かれている。 だが、左足の小指の部分、つま先はキズが小さくある。 あなたはお金持ちだ。 黒いバックに事件の資料が入っているのでしょう。 合っていますか?」
「正解です」と女性は小さく笑う。
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