御霊語ーミタマガタリー
緋月@時計屋
第1話 昔語り
それは確かに在った。
神を殺しその血肉を食らい力を得る者。
それはいつの時代からいたのかは定かではないが古来より存在していた。
歴史の中で暗躍する神を食らう者達。
ある時はその力を持つことでかんなぎとして崇められある時はその力故に鬼として忌み嫌われた。
そして時代は流れ神食いの中から乱世の覇者として歴史上に名を残したものがいた。
時代の王、織田信長である。
「神を食らう人の王。」
それを疎ましく思った神々は信長を討つことを計画する。
そして神は眷属を遣わせ人々を先導し信長の息の根を止めた。
止めたはずだと思っていた。
しかし神々は読み違えていた。
当時腹心であった明智光秀は信長のことをよく知っていたのである。
神の存在はもとより神食いのことも光秀はよく熟知していた。
そして信長の為に光秀は一つの策を信長に提案する。
明智光秀の謀反「本能寺の変」では信長が自刃したと言われているがそれは目視では確認されてはいない。
光秀はその策で神を騙す事に成功し信長は歴史上から姿を消したのである。
その後信長は歴史の裏側で事を起こす。
信長は皮肉を込めてこのヒノモトの原初の神である十柱の神々になぞらえて「杜柱<とはしら>」という名の組織を作る。
同時に信長は神食いを「神を屠る者」と言う意味を込めて神屠<カント>と名付けた。、
そして自身が作った「杜柱」に神屠と思しきものが現れた際には必ず保護をする旨の決まりごとを作成した。
そして現在東京。
杜柱は元々は京都に居を構えていたが第二次世界大戦後の時代の変化と共に東京に拠点を移していた。
そして現在2034年。最近は科学も発展して超常現象というのは科学で全部説明がつくと言われてる昨今だが勿論そんな事は事実ではない。
しかし世間でそういう風潮だからか神格を持っていた神々が最近次々堕落して人に危害を加えるようになってしまっていた。
勿論神屠は頑張っている。しかしこの状態も長くは続かないだろう。
杜柱の者達は待っているのだ。今の時代を変革してくれる王の出現を。
歴史を変えた織田信長がそうであったように。
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