第15話 北東の洞窟へ

「……という訳で…レオナルド殿の孫レオンハルト殿を部下にすることになったんじゃが」


手に持っている契約書を見せる


ケイトがポカンと口を開けている


「サラマンダー族の筆頭が部下になる……?」


「や、やりましたね!!」


「…………ど、どういうことなんだぞ!?」



「長期間離れるかもしれんしフェンリルとフローラに管理を任せるかの」


「あの二人で大丈夫なんでしょうか……」




______


洞窟へ向かう道中


「……レオナルドと言えば伝説級の精霊なんだぞぉ…」


遠くからケイトがブツブツ言っている


「……北東の洞窟ですか……探検みたいで少しワクワクしますね」


「…ヴェルデ様、気を引き締めてくださいね?サラマンダー…気性の荒い方の可能性もあるのですから」


「……気は引締めてますけど?!僕はただ…」


はあ、とため息をつくシャルム


「勝手に怒って拗ねないでください」


「まあまあ、レオナルド殿からは真面目だと聞いているし大丈夫だと思う…んじゃが」


そびえ立つは溶岩の様に赤く熱い岩と黒い岩


「なんか暑いんだぞ……」


「弱音を吐くなどまだまだ……ぐぇ」


オンブルとケイトがバテるほどの暑さ……まあ、ケイトの場合 毛で覆われているからのぉ


「とりあえず地図の通りに進んでいこう」





___



「レオンハルト様!侵入者です!!」


「……なに?」


赤い眼……赤い髪をオールバックにした眼鏡をかけた少しだらけた男性


手元には『難しく考えないのが休息』と書かれた本を持っている


「…そんなものおじい様の設置した罠にかかって終わり……」


「罠を避けてこちらへ向かってきます!!」


「なんだってぇ!!?」


驚いたあまり声が裏返る


「あ、あと…関係の無い事なんですが……」


コソコソと耳元で部下が囁く


「……なん……だと?全く関係の無い事じゃ無いじゃないか!!」


準備せねば!と洞窟にある一室を出る



_


「はいココ落とし穴」


「落とし穴ー」


落とし穴を飛び越え転がる岩をかわし


最早作業のように罠を避けていく


「……確かここを右に曲がる途中に」


曲がり角に小石を投げる

すると、


ダダダッ


「矢?」


少し壁の岩が溶けているのが見える


「毒矢のようですね…サラマンダーの体の表面にある毒を使っているのかも知れません」


「殺る気満々じゃな!!」


「これ地図がなかったら結構まずかったんだぞ」


確かに……

レオナルド殿…ワシがこれ落としたりしたら大変なことになる気がするんじゃが……


『その時は許さんぞい』


そんな声が聞こえた気がした


「この扉の先にいるはず……」


重そうな扉を2人がかりで開く


するとそこにスーツをきたレオンハルトらしき人が立っている


「君がレオンハルト殿……?」


「……あ、あなたは……」


レオンハルトがぶるぶるとふるえはじめ走り出す


「!?」


オンブルがワシの前にでる



レオンハルトはすぐさま跪き目を輝かせる


「やっと出会えた!!!運命の君!」


シャルムの手を取りそう叫ぶ


「……はい??」

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