カゲが照らした道
天野 鰯
プロローグ 昔も今も。
「ピコンッ」
机に置かれたスマートフォンが鳴る。
通知を開くとSNSのメッセージが入っていた。
「カゲちゃん!これ懐かしいやつ!」
送り主はひーちゃんこと
その後、続けざまに送られてきたのは私が卒業したときのインタビュー映像だった。
「もう5年経つけどカゲちゃん全然変わらないよね~」
そうか、もうあれから5年も経つのか。
「あ、そうそう!来週の日曜、一期のメンバーで同窓会するってさ!予定とか大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。」
「そっか!よかった!じゃあ、来週の日曜ね。カゲちゃんとも会えるの楽しみにしてるね!!バイバイ~」
もっとゆっくり話していたかったがひーちゃんは今や売れっ子タレント。
暇な時間などそうそうない。
親友の忙しさに誇らしげに思いつつもどこか寂しさを覚え、スマートフォンをもとの位置に戻す。
「それにしても、あれからそんなに時間が経つのか」
心の声がポツリと零れる。
あの頃のことは今でも、どんな記録媒体よりも鮮明に思い出せる。
とにかく頑張った。何度も泣いて、何度も悩んだ。
だけど、辛いと感じる余地もないほど楽しかった。
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