Arthur3 新たな自分へ

アーサーオブナイト 学園都市に眠る生命の泉

作者 サファイア

chapter1 聖石(ルリック)によって繁栄した世界

Arthur3 新たな自分へ

https://kakuyomu.jp/works/16816452219451956549/episodes/16817139556153816008




※誤字脱字・構文など

> 彼は鼻で笑うと、青コートの男はスマホの画面を見せる。

⇒ここはちょっと分かりづらいかもしれません。

 たとえば「彼が鼻で笑うと、青コートの男はスマホの画面を見せる。」

 と格助詞「が」にするとスムーズに読めます。

 また「スマホの画面を見せる。」だとどういう方向性かわかりづらいので、「彼」に見せるのなら「見せてくる。」ですし、青コートの男が殊更に見せびらかしているのなら「見せつける。」です。この文では主体は青コートの男なので、「青コートの男」から発せられて、「彼」がそれを受け止める側ということになります。


>「ちなみに、僕をどういった存在にしてくれるのだ?」

>〜(中略)〜

>「……どうして、そのような事を知っているのだ?」

⇒しゃべり言葉で「〜のだ?」と訊くのはバカ丁寧ですね。年齢相応なら「〜んだ?」でしょう。

(1’)>「ちなみに、僕をどういった存在にしてくれるんだ?」

(2’)>〜(中略)〜

(3’)>「……どうして、そのような事を知っているんだ?」

⇒年齢的にはこちらのほうがしっくりくるのですが、中山くんの性格や育ちなどが影響しているのであれば「〜のだ?」でもある程度は納得できます。ただ「〜の」と来たら「〜のですか?」としたほうが丁寧語としては適切です。

(1’’)>「ちなみに、僕をどういった存在にしてくれるのですか?」

(2’’)>〜(中略)〜

(3’’)>「……どうして、そのような事を知っているのですか?」

⇒(1’)と(1’’)を合わせて「〜んですか?」なら丁寧だけど若そうな印象を与えます。


(4)> 二カ月という短い期間で、財閥と上流の魔術によって火傷になったり、溺死しかけた時もあった。

⇒「火傷したり」が普通ですね。「魔術によって」があるので助詞「に」をとるとどうしても蛇足感が出ます。また助詞「たり」は並列の助詞なので使い場合は複数です。「溺死しかけたり」とすれば揃います。

(4’)> 二カ月という短い期間で、財閥と上流の魔術によって火傷したり溺死しかけたりと慌ただしいことこのうえない。

⇒とこのくらい書くと、「二カ月」という期間の短さをより示せます。


(5)> ジェイや教師は、汚物を見るような視線を送られた。

⇒この書き方だと「ジェイや教師」に対して「視線を送られた」ように受け取られます。

 方向を示す文にする必要があります。まず「ジェイや教師」側に立った文にすると、

(5’)> ジェイや教師は、汚物を見るような視線を送ってきた。

⇒次に「受け手」側に立った文にします。

(5’’)> ジェイや教師からは、汚物を見るような視線を送られた。

⇒以上の書き方を選択しましょう。

 文は「誰の視点から書かれているのか」を念頭に置いて書きましょう。


>「深夜、南東にある大聖堂にて待っている。返事を待っているからね」

⇒ここに限らず助詞「で」を助詞「にて」で書いているところが散見されます。

 おそらく以前「助詞「で」が重複したときに片方を助詞「にて」にして解決した」ことをそのまま適用してしまった可能性がありますね。

 基本的に助詞「で」を用いてください。助詞「にて」は古い言い回しなので、使うのは一部の例外でのみです。重複の回避の仕方も通り一遍ではないので、小説をよく読んで文法を頭に入れておくとよいですよ。


> 優しい笑みを浮かべ、青コートのポケットに手を入れながら立ち去っていた。

⇒「優しい笑み」と書くだけでは、顔が思い浮かびません。どんな造作で笑んだのか。それを描写してみましょう。

 たとえば「目を細め、口角をかるく引き上げて微笑みを浮かべ、」と描写するだけで、どんな表情なのかが明確ですよね。この場合「微笑みを浮かべ」と書かなくても「軽い笑みを浮かべた」と伝わります。

 「優しい」は説明で、「目を細め、口角をかるく引き上げ、」は描写です。

 ここは説明よも描写が欲しいところですので、横着せず描写していきましょう。


> 夜七時。中山は平民の寮の自室にて考えていた。

⇒ここも「寮の自室で考えていた。」です。基本的には助詞「で」を使いましょう。助詞「にて」は使いどころを間違えるとおかしな表現になりやすいです。


>「選ぶとしたら二つ目の選択肢だけど、なんか卑怯な感じもする。

⇒「選ぶ」と「選択肢」で「選」の字の重複です。ちなみに「択」にも「えらぶ」意があります。ここは前に使っている「選ぶとしたら後者だけど、」にするとうまく収まります。


> 普通なら信じないのだが、なぜか中山は彼の言葉が本当だとと思うになった。

⇒「本当だと思うようになった。」ですね。


>周りの柱には青い炎を灯した数多のロウソクが置いていた。

⇒「ロウソクが置かれていた。」です。


> 中山は苦痛の声を上げながら、全身が青のオーラを立ちのぼっていきながら変わっていく姿を見る。

⇒「全身から青のオーラが立ちのぼっていきながら」だと思うのですが、「中山は〜変わっていく姿を見る。」だと中山からは他人事のはずなのに、変化が起きているのは中山自身ですから、この書き方は変ですね。

> 中山は苦痛の声をあげながら、全身から青のオーラが立ちのぼりながら変わっていく自身の姿を見る。

⇒としても、なにかに映った自分の姿を見ていないと成立しません。

 たとえば青のコートの男が姿見を隣に置いていて、中山はそれを見るよう言われていた、という形にすればこの書き方でも納得がいくのですが。

 このあたりの設定はサファイア様にお任せ致します。


>胴体に付きまくった脂肪は、みるみる減少して筋肉がしっかりと浮かび上がる。

⇒「脂肪」がみるみる減少するのがわかるのも変ですね。たとえば、

>胴体の余った肉は、みるみる引き締まって筋肉がしっかりと浮かび上がる。

⇒これなら見た目だけを書いていますから文として成立します。

 「三人称視点」は「語り手視点」とも言います。誰かがそれを見ていて実況している書き方が「語り手視点」なのです。

 ここから中山くんに起こる変化を誰かが見て実況しているのであれば、文の主語を中山くんに設定してあるとおかしな描写になります。あくまでも第三者の「語り手」が見ていることを実況しているのですから、ひとつ前の添削箇所も考えないといけませんね。

> 中山は苦痛の声をあげると、全身から青いオーラを立ちのぼって体に変化が現れた。

> まず、豚のような腕と脚は、みるみる筋肉質になり、手足の醜い指先は細くなっていく。胴体の余った肉は、みるみる引き締まって筋肉がしっかりと浮かび上がる。

> ぼさぼさの髪は、清潔感溢れる美しい銀髪に染まっていく。どんよりとした黒い瞳は、ぱっちりとしたサファイアのような青く美しい瞳に。声も、美しいテノールボイスに。そして、顔は小さくなり、まるで王子様と見紛うようなイケメンに変わった。

> 変化が終わると、彼は気を失い地面に倒れ込んだ。そこにいるのは、世の女性を魅了するほどの引き締まった白い体を持つ美青年だった。

⇒こうすると第三者の「語り手視点」としては正解だと思います。


> 着替え終えると、足早と大聖堂の入口へ向かう。

⇒全裸だったわけですから「着替え終わる」は変ですね。「私服を着込むと、」とすればよいですね。




※寸評

 半分ほど添削した作品の時点では、設定が多いなと思っていましたが、今回のバージョンではサクサクと物語が進んでいきますね。

 このくらい飛ばしてまずは主人公の変化を書き、他の説明は追々やっていくと読み手の興味を惹けるので、こちらのほうが格段によくなっています。

 今話を読んで気づいたのですが、「三人称視点」の基本である「語り手視点」という前提が揺らいでいるところがありますね。

 「三人称一元視点」という「語り手視点でひとりの人物だけ心が覗ける」ようにしたいのであれば、「一人称視点」になっているところも、しっかりと「語り手視点」で書けているかどうか。そこを考えてくださいませ。




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