恋に落とす方法 4

陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜

作者 雨 杜和

第二部 現代編「モテ女に変身させる、姫のノウハウ」

第三章 How to 恋愛

恋に落とす方法 4

https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330649693478495




※誤字脱字・構文など

>「わたしの声が聞こえてる、モチ。さっきから、ずっと、そこで、赤くなったり、胸を抱いたり、気持ち悪いわよ」

⇒「聞こえてる」が「い抜き言葉」ですね。表記ゆれを指摘されやすいので、注意しましょう。マロンは平安の頃から生きてきたのなら、日本語に厳しい人だと思います。ですので「い」は省かないほうがマロンらしい。モチはフランクだから「い抜き言葉」でもわかるんですけど、語り手になっているのでできれば「い抜き言葉」「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」は使わないほうがいいんですよね。このあたりが難しいところです。


>「恋に落ちるっていうじゃない。そこまでは簡単なことよ。恋のために、運命の出会いはつくりあげれるけど、わたしは愛を知らない」

⇒「つくりあげられるけど、」です。「ら抜き言葉」になっています。




※寸評

 モチに恋を語るマロンははっきりしているけど、愛は知らないともきっぱり言い切る。

 このあたりに平安時代の「姫」が現れているようですね。

 そして賀茂光栄の言葉がまた出てきたのですが、初出から結構時間(紙幅)を費やしているので、憶えているかどうか。「わたしが恋に落ちた人によ」「もう、死んだ」で光栄だと思い出せたらいいんですけどね。

 ですが、ここで賀茂光栄の名を書くと興醒めするのも確かなんですよね。

 ここはできるだけ匂わせるだけにして、誰がなんて書くのは野暮というものです。

 物語のレベルが急激に子ども向けになります。

 なので読み手には、叙述だけで賀茂光栄を思い出させて名は伏せる。

 この絶妙なバランスがこの回を象徴的にしています。

 読み手も「モテ女の手口」を見た思いでしょうからね。



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