不死の姫 3

陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜

作者 雨 杜和

第三部 現代編「二十一歳、三十三歳」

最終章

不死の姫 3

https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330650129188426




※誤字脱字・構文など

>「めぇ、マロン。

⇒「「ねぇ、マロン。」かなと。めぇでも可愛いですが。




※寸評

 賀茂法光の記憶を継ぐ者として佐々波光宏がいたとして、彼を通して法光が宿願を果たそうと襲いかかってきた。自分から出たものに信じられなくて、佐々波くんは驚愕の表情を浮かべながら死んでしまったのかもしれない。

 そして法光の怨念がモチを付け狙うとき、千年前の賀茂光栄のように彼女を守る力が必要になる。そうして本当の愛を知ったとき、藤原兼家の娘「姫」であるマロンは天狐となる。

 賀茂光栄が告げた言葉を以前聞いて、おそらく賀茂光栄の記憶を継ぐ者として下鴨モチが存在したことに気づいたのかもしれませんね。

 そしてマロンが命に変えてもモチを守り抜こうとする心構えをする。

 愛とは誰かを、何かを守ろうとする心の現れですからね。

 もしマロンがモチをかけがえのない存在だと判断し、彼女のために身を投げ出せるのなら、それは無償の愛であり、愛を知ることでマロンは呪縛を解き放って天狐となれる。


 と、第一部からの流れを私なりの「愛」の解釈で考えてみました。

 こう考えると結構伏線がつながるんですよね。

 第一部では賀茂光栄に恋していても、打ち明けることができずに他人の恋を弄んだ。

 第二部では賀茂光栄の言葉を発した下鴨モチの恋の相談に乗って佐々波くんとくっつけた。

 第三部では法光の記憶を継ぐ者であった佐々波くんが、豹変した己に恐怖して驚愕のうちに果て、現代に蘇った法光の呪縛を解くために、マロンが愛するべき賀茂光栄の記憶を継ぐモチを守ろうとする。

 法光の呪縛は、マロンが死ぬまで自分は死ねない。マロンが好意を寄せてくれるまでいつまでも追い続ける。そんなところでしょうか。千年近く繰り返されてきた追いかけっこは、賀茂光栄の記憶を継ぐモチによって解放されるかもしれない。

 愛を知ったマロンは天狐となって成仏し、マロンの死を知った法光の呪縛の怨念も成仏することになるのでしょうか。


 そしていよいよ残り2話くらいですよね。

 法光の怨念と対峙するモチは、マロンを守り抜けるのか。そんなマロンはモチを巻き込まずに済むのか。

 ラストシーンまで巧みに読み手を誘導していますね。

 この流れのままで、ラストシーンまで全力疾走してくださいませ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る