野人のような男たち
https://kakuyomu.jp/works/16816452218537897016/episodes/16816452219139759905
だからこそ、彼を救うために来たと気を引き締めた。でも、実際、どう交渉したらいいのかわかっていなかった。これまで、お金を使って買い物をしたことがない。
⇒「彼を救うために来たと気を引き締めた。」「お金を使って買い物をしたことがない。」ともに助詞「を」の重複です。
まず前者。「彼を」はすでに前文で「こんな貧しい場所でユーセイが使われていると思うと悲しかった。」と書いてあるので不要です。
後者。「買い物」はスル動詞でもあるので、「買い物したことがない。」でもなんとかなります。もしくは「お金で買い物をしたことがない。」ですね。
もう一度、大きく深呼吸をしてから、ドアを開け内部に足を踏み入れた。
⇒助詞「を」が三回出てくる文です。
「深呼吸」もスル動詞なので「深呼吸してから」と書けます。
「ドアを開け内部に足を踏み入れた。」ですが、「足を踏み入れる」は慣用句なので、こちらの助詞「を」は省けません。
「ドアを開け」をどうにかするべきです。
ここは重文にしてしまう手があります。
「ドアを開け、内部に足を踏み入れた。」
読点ひとつですが、入れるだけで述部がふたつ重文でくっつくので「開け、踏み入れた」がそれぞれ文として独立します。
重文にしたければ読点を打ってくださいね。
床がキコキコと鳴るし、室内が暗くて、外は明るかったから目が慣れなくて、ずいぶんと怖気付いてしまって……。
⇒ここは助詞「が」の重複なのですが、解消するわけではありません。
読点で区切られているので重文のひとつですが、機能としては「並列」「列挙」に当たります。読点までが次々と浮かんでは、新しい文が喚起される形です。
なのでここはこのままで。
へたに手を入れると、マリーナの思考の邪魔をしてしまいますからね。ここはこのままがよいのです。
彼から、煤けた煙と腐った臓物が合わさったような悪臭が漂ってきた。
⇒この助詞「が」の重複は見逃せませんね。
ここは「彼から、煤けた煙と腐った臓物の合わさったような悪臭が漂ってきた。」となります。
助詞「が」を助詞「の」で処理するのはなかなか難しく、助詞「の」の機能を把握していないとなかなか使いこなせません。
まぁ今回は助詞「の」にしても問題がないのでそうしたまでです。
私は馬車まで走って飛び乗ると、敗北感にさいなまれながら座席に突っ伏した。
⇒助詞「に」の重複です。ここは「座席へ突っ伏した。」で解決します。
そう思うと胸が張り裂けそうだけど、無力な私になんの力もない。
⇒「無力な私にはなんの力もない。」ですね。
────────
今回はまだ助詞の重複が見られるので、ここまでは推敲していらっしゃらないのかな?
時間的にボーナスラウンドはここまでと致します。
続きは明日の午後から始めますね。
お疲れさまでした。
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