第3話

「きみは本当に僕なのか」

座布団に座った僕に僕は(あーっ、ややこしい)

訪ねた。

「逆に聞くけど、きみは本当に僕なのか」

僕A(ややこしいから、これからは僕の

そっくりさんのことをこう呼びます)が

質問した。

二人が黙った。

沈黙が微かな音を立てているようだった。

「二人が同一人物だとしよう」

僕が僕Aに言った。

「きみは当然、僕のことなら何でも

知っているはずだね」

「えっ」

僕Aの顔色が青ざめた。

「知っているんだろう」

「もっ、もちろんさ」

僕Aは明らかに動揺している

ようだった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る